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海運雑学ゼミナール
114 外航貨物船の船内食は免税価格で豪華版
 貨物船の乗組員にとって三度の食事は最大の楽しみの一つ。大海原を航海する船の上では、もちろん制約も多いが、その中で、飽きのこないバラエティに富んだ料理を作り、乗組員に満足してもらうのが司厨長の腕の見せどころだ。  調理をする上でいちばん問題なのは船の揺れ。献立は普通前日に決めているが、悪天で揺れが激しいときは、天ぷらやフライなど油を大量に使うものは危険なため、急きょ焼物や煮物にメニューを変更する。
 また船内では、安全を考えてガスは使用しないため、調理場の火はすべて電気。当然火力は弱く、例えばカツオのたたきが、表面を焼いているうちに中まで火が通ってしまうなど、献立もある程度制限される。ただし、ご飯だけは、電気釜ではなく蒸気を利用したライスボイラーという特殊な釜で炊く。
 水はエンジンルームから送られてくるものを使うが、こちらは清水(飲料水)、海水(洗い物)、雑用水(風呂やトイレ)、湯(食器洗いなど)に分かれており、用途に応じて使い分ける。もちろん一滴の水でも大切に使う。
 こう書いてくると、まるで制約ばかりのようだが、外航貨物船では、陸にはない大きなメリットもある。それは船内で消費される物はすべて免税扱いとなる点だ。豪州産の高級牛肉や外国産の果物がふんだんに食べられる。
 このため外航貨物船の船内での食費は、1日3食で1人分1,000円程度と、驚くほど割安。しかもかなり豪華版だ。
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