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海運雑学ゼミナール
115 豪州産の羊毛輸送から始まった大西洋横断ブルーリボン
 20世紀前半の客船黄金時代、北米と欧州を結ぶ北大西洋航路には、大型の豪華客船が数多く就航し、北大西洋横断のスピードが競われた。ブルーリボン競争と呼ばれるもので、記録保持者にはトロフィーが授与され、無上の栄誉とされていた。「ブルーリボン」という呼び名の起こりは、19世紀の中ごろ、豪州から英国へ羊毛を運んだウールクリッパーの競争に始まる。
 当時、年間で最も速く羊毛を運んだ船にブルーのリボンが与えられ、これをマストに掲げることが許された。これが、その後、北大西洋航路の速力競争に引き継がれたわけだが、この頃になると、勝者にはトロフィーが与えられるようになり、マストにブルーリボンを掲げることはなかった。ブルーリボンという言葉だけが、そのまま残ったわけである。
 競われたのは、欧州と英国を結ぶ北大西洋の2地点間の西航および東航の平均速力(1昼夜の航走距離を24時間で割った数字)。船によって出港地が違うため、欧州側の起点はシェルブールやクインズタウンなどいくつかあったが、米国側はすべてニューヨークで、英仏海峡の大西洋側にあるビショップロックとニューヨーク港の入り口にあるアンブローズ灯船を起・終点とするコースで争われることが多かった。
 1840年に、定期航路が開設されて以来、記録は更新され続けたが、最高は、オーストラリアで建造されたカーフェリー「ホーバースピード・グレート・ブリテン」が1990年に記録した東航ルートでの平均36.65ノットである。
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