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海運雑学ゼミナール
116 電気で走る南極観測船「しらせ」
 貨物船や客船のエンジンといえば、蒸気タービンやディーゼルエンジンが主流だが、砕氷船や潜水艦など、特殊で高度な操縦性が要求される船でしばしば使われる推進システムに電気推進がある。
 文字どおり、電気の力でモーターを動かし、スクリューを回して推進するわけだが、海上では電力会社が供給する電気を使うわけにはいかない。当然、まずモーターを動かすための電気をつくる必要がある。
 この発電の方式には、原動機に蒸気タービンを使うものとディーゼルエンジンを使うものの2種類があるが、それなら最初からタービンやディーゼルで船を走らせればいいようにも思える。
 わざわざ電動モーターを使うメリットは何かというと、前進・後退・停止といった推進機関の操作がスイッチの切り替えで瞬時にできること。これは、電気で動くモーターならではの芸当だ。
 前進と後退を頻繁にくり返し、氷を割って進む砕氷船には重要な能力で、南極観測船「しらせ」にも使われている。
 また、潜水艦の場合、潜航中は燃料油を燃やすだけの酸素が得られないため、浮上中にディーゼルエンジンで発電した電気をバッテリーに蓄えてしまえば、あとは電動モーターで航行できるので、潜水艦にも、なくてはならない推進機関となっている。
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