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海運雑学ゼミナール
120 港の中ではタグボートが大型船のエンジンや舵代わり
 広い海の上なら、どこへでも自由に航行できる船も、狭い港の中となるとそうはいかない。貨物船など大型船の場合、停止しようとしてエンジンを止めたり後進に切り替えたりしても、止まるまでにかなりの距離を進んでしまうし、低速では舵の効きも非常に悪くなるからだ。そこで大型船の港内での操船は、タグボート(曳船)の力を借りて行なうことになる。
 タグボートには外洋曳船用のオーシャンタグや沿岸用のコースティングタグもあるが、港内で使われるのはハーバータグと呼ばれるもの。2,000〜3,600馬力のエンジンを積んだタグボート数隻が、本船ブリッジからの指示で船を押したり引いたりして、前進、後進、横移動など、入港から着岸までの本船の動きをコントロールする。つまり港内では、タグボートが、船舶のエンジンや舵の代わりというわけだ。
 ハーバータグの多くは、船舶火災のための消火装置を装備し、流出油防除のための処理剤散布やオイルフェンス展張の機能を持つものもある。
 200〜300総トンの小型船ながら、わずか3〜4隻で十数万重量トンの大型船も動かしてしまう文字通りの「縁の下の力持ち」の活躍が、貨物船や客船の安全な入出港を支えている。
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