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海運雑学ゼミナール
135 円滑な国際貿易に欠かせない船荷証券(B/L)のユニークな機能
 貨物の船積みを終え、所定の運賃を支払った荷主(荷送り人)に対して、船会社が発行する船荷証券(Bill of Lading : B/L)は、海上輸送による貿易活動を行う場合、きわめて重要な書類だ。
 この船荷証券には3つの大切な機能がある。一つは、運送人が貨物を受け取ったことを証明する貨物預り証としての機能。二つめは、運送や引き渡しの条件を明示した運送契約の証拠としての機能。そして3番目が積み荷に関する有価証券としての機能で、この船荷証券を譲渡(転売)することで実質的に他者に積み荷の所有権を譲渡することができる。
 国際貿易を行う場合、特に重要なのがこの3番目の機能だ。荷送り人は、あらかじめ決済のための口座を開設しておいた銀行に、船荷証券を持参して輸出代金を受け取り、一方、荷受人は、揚げ地の銀行で輸入代金と引き替えに、この船荷証券を受け取る。輸出入当事者間の決済は、これで事実上完了したことになり、あとは積み地と揚げ地の銀行間で、実際の金銭決済が行われるだけだ。
 この船荷証券の歴史は古く、蒸気船が発達し、海上輸送が拡大した19世紀には、国際貿易を行う上で欠かせない重要な役割を果たすようになっていたが、船会社によって引き受け条件がまちまちで混乱も大きかった。このため船荷証券の内容の国際統一への気運が高まり、1924年に船荷証券統一条約(通称ヘーグルール)が成立。現在も船荷証券の内容は、基本的にこのルールに基づいている。
 たった一通の書類に、運送人による貨物の受取証から運送契約証、貨物の引き渡し請求権(所有権)を示す有価証券としての役割まで凝縮したこの船荷証券のユニークな機能は、長い歴史を持つ海運が生みだしたシステムの中でも、優れたアイデアの一つに数えられるだろう。
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