日本船主協会

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海運雑学ゼミナール
136 プッシャーバージ:水上を走る貨物列車
 貨物を積む機能をもったバージ艀(はしけ)とそれを押す機能をもったプッシャー(押船)を組み合せた水上輸送システムがプッシャー・バージ。バージの船尾には、プッシャーの船首部分がぴったりと収まるようにつくられたノッチ(切り欠き部)があり、ここにプッシャーの船首部分をはめ込んで、特殊な連結装置でつなぎ、この状態でプッシャーの推進力でバージを運航する。プッシャーが機関車でバージが貨車だと考えればいいわけだが、その運航形態は、国や水域によって異なる。
 大河川の多い米国や欧州では、複数のバージを縦1列または複数列に連結し、1隻のプッシャーで押航する船団方式が普及しており、ミシシッピ川上流から、メキシコ湾岸までの穀物輸送などに活躍している。全体の長さが200〜250メートルにのぼる船団が組まれることもあり、これはまさに水上を走る貨物列車といったところだ。
 また特殊なものとして、複数の小型バージを浮力をもった大きな枠の中に収納し、その枠ごとプッシャーで押航するバージインテグレーターがある。
 日本では、船団方式のバージシステムが活動できるような大河川や波浪のない水域が少ないことから、1隻のバージを1隻のプッシャーで押す方式が主流で、波やうねりのある沿岸でもある程度活動できるように、プッシャーとバージの連結方式にも改良が施されている。バージの大型化も進み、3,000〜10,000重量トンクラスのものまである。
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