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海運雑学ゼミナール
138 昔は本当に橋だった「ブリッジ」(船橋)
 船長や航海士が操船を行う場所は、一般に「ブリッジ」と呼ばれ、日本語でも「船橋(せんきょう)」と訳される。船の上になぜ橋があるのか、考えてみれば不思議な話だが、実は、かつて船の上に本当に橋がかけられていた時代があった。
 帆船時代には船の舵輪は船尾にあり、操船の作業も船尾の甲板で行われていた。しかしその後、蒸気船の時代になり、船体中央部に大きな機関室を設け、両舷側に推進装置としての外輪を設けた外輪船が出現すると、船尾からでは前方の見通しが極めて悪くなり操船に支障が出てきた。
 そこで両舷の外輪にかぶせたかまぼこ型の保護カバーを橋のような構造物でつなぎ、その上に舵輪やコンパスなどの装置を移し操舵室をもうけるようになった。それは、まさに両舷側を結ぶ橋そのものだったわけで、船の操舵室のある場所をブリッジと言い習わすようになったのは、ごく自然のなりゆきといえた。
 やがて外輪船はスクリュープロペラ船にとって変わられることになり、橋の形をした構造物は必要なくなったが、操舵室そのものは相変わらずブリッジと呼ばれ続け、現在に至っている。
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