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海運雑学ゼミナール
142 北海道沖の海底に、珊瑚礁がある理由
 北海道沖の4,000メートルの海底に珊瑚礁があると聞けば、誰もが驚くはず。熱帯の浅い海にしかないはずの珊瑚礁が、なぜそんな場所にあるかを説明できる学説が、近年注目を集めているプレート・テクトニクス理論だ。この理論によれば、地球の表面はいくつものプレート(厚さ70〜150キロメートルの岩の板)のモザイクでできている。
 太平洋の海底を形成しているのが太平洋プレートで、このプレートが生まれるのが東太平洋海嶺、カリフォルニア南部からチリの沖を通り南米大陸の先端付近まで延びている海底の大山脈だ。そこに連なる火山群から流れ出た溶岩が海水によって固まってプレートができ、これが次々に湧き出す新しい溶岩によって押され、北西へと移動する。
 そのスピードは1年でわずか10センチメートル程度だが、すでに1億年以上も動いてきた太平洋プレートの先端は、すでに1万キロ以上の旅をしたことになる。このプレートはヨーロッパからアジアまでの大陸を形成するユーラシアプレートと日本付近でぶつかり、その下にもぐり込む。その場所が日本海溝で、日本の太平洋岸で起こる海底地震は、そのときプレート同士が擦れあって生じるきしみのようなものだ。
 つまり北海道沖の珊瑚礁の土台は数千万年前に赤道付近でできた海底火山で、そのとき海面近くにあった頂上に珊瑚礁が形成され、それがプレートのベルトコンベアに乗って次第に東北東に移動した。やがてそれが日本海溝に落ち込んだため、深度4,000メートルの海底に珊瑚礁があるという不思議な現象が出現したわけである。
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