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海運雑学ゼミナール
145 離・接岸時の操船を容易にしたゲームでお馴染みのジョイスティック
 「ジョイスティック」といえば、コンピュータゲームで画面上のキャラクターを自由自在に移動させるための小さな操縦桿というイメージが一般的。このジョイスティックが、最新型の貨物船や客船の操船に使われていると聞けば驚く人もいるはずだ。
 最近の客船や内航貨物船の一部の船種では、離・接岸時の操船を容易にするため、舷側の水面下に横移動のための推進装置(サイドスラスター)を取り付けた船が増えている。
 最近は、このサイドスラスターと主機の出力をコンピュータで同時にコントロールすることで、船の向きを変えることなく、あらゆる方向への移動が可能になっている場合が多く、これを使えば、荒天時以外ならタグボートなしで離・接岸できるようになる。
 こうした船の離・接岸時の操船に使われるのがジョイスティック。通常はブリッジウィング(ブリッジの左右に船の幅いっぱいに張り出したテラス状の部分)にこのジョイスティックを備えた専用の操縦装置があり、船長や航海士がこれを使って操船を行う。
 もちろん、時々刻々変化する船の動きを監視しながらの微妙な操船はコンピュータゲームとはほど遠い緊張感に満ちたもの。しかしトランシーバーでタグボートと頻繁に連絡をとりながら行われる従来の離・接岸作業と比べれば、この小さな魔法のハンドルが実現した効率性と安全性の面での進歩は、まさに革命的ともいえる。
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