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海運雑学ゼミナール
155 「船は遅い」の常識を覆す超高速滑走艇(ハイドロプレーン)
 船は、一般に遅い乗物というイメージがある。例えば貨物船で最高速のコンテナ船でも航海速力は24ノット(時速約44km)前後。軍用艦の中で最も速い駆逐艦でも40ノット(時速74km)前後で、航空機や鉄道、自動車と比べれば確かに遅い。
 しかし競技用やスピード記録用の高速モーターボートとなると話は違ってくる。こうした小型艇は、船底をフラットにつくり、強力なエンジンの力で船体を浮かせ、ちょうどスキーのように水面を滑走して走るもので、ハイドロプレーン(水上滑走艇)と呼ばれる。
 航走中は水の抵抗がほとんどなくなるため極めて高速で、航空機用のターボジェットエンジンを積み、時速200kmを超す記録を生んだ艇もある。
 しかしこのような高速になると、わずかな波でも船体は水上をバウンドし、再び着水するときに受ける水面からの反動は、まるでコンクリートにぶつかったような衝撃を与える。
 このためちょっとバランスを崩せば、船体を破損したり沈没したりという事故をまぬがれない。スピードの極限を追求する船のF1レースの世界もまた、死の危険と背中合わせの世界なのである。
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