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海運雑学ゼミナール
159 日本籍船で活躍するアジア出身の外国人船員たち
 最近、日本籍の外航貨物船や客船で、東南アジア出身の外国人船員をみかけることが多い。これは、1990年から実施された新たな「マルシップ方式(海外貸渡方式)による混乗」の導入によるものだ。
 先進海運国は、かねてから国際競争力の低下を背景に、船員費の面で有利な外国人船員を自由に配乗することができる利点を求めて、リベリアやパナマなどの外国に船籍を登録するいわゆる便宜置籍船を増やしてきた。
 フラッギングアウトと呼ばれるこうした動きに歯止めをかけるためにわが国で導入されたのがこの「マルシップ混乗」。日本国籍の船舶をまず外国の船会社に貸し出し、借り手の船会社がこれに外国人船員を配乗し、その船を再び日本の船会社が用船するというものだ。
 ただし、この場合も船舶職員については日本の海技免許を持つことが義務づけられていたため、外国人船員は、基本的に部員として配属されていた。その後、1999年に船舶職員法が改正され、日本人船長と機関長を除けば、外国人船員についても船舶職員として日本船籍に乗り組むことが可能になった。
 そんな動きの中で、最近は優秀な外国人船員の養成を目的に、フィリピンなど東南アジア地域で船員学校を経営する日本の船会社も出てきている。
 これには、将来に向けた優秀な外国人船員の育成という本来の目的と同時に、先進海運国としての優れた海技を海外に移転するという意味でも重要な意義があり、アジア地域での海外協力の新分野として注目されている。
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