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海運雑学ゼミナール
163 Mゼロ船が実現した巨大プラントの運転無人化
 機関室の当直無しで、主機を24時間運転できる設備を備えた船をMゼロ(エムゼロ)船と呼ぶ。
「Mゼロ」とは(財)日本海事協会が定めた船級を示す符号で「Machinery Space Zero Person」の略。船橋からの主機の遠隔コントロールが可能で、かつ機関室の異常を知らせる警報装置、異常時に自動的に主機を減速する装置など、無人運転のための多くの規定を満たした船を意味する。
 世界最初のMゼロ船は、1969年に日本で建造された「ジャパン・マグノリア」で、これ以後、船舶のMゼロ化は急速に進み、現在では外航船や内航大型船のほとんどがMゼロ船となっている。
 Mゼロ船といっても、常時、機関室無人運転(Mゼロ運転)が行われているわけではなく、船舶の通航量の多い海域や、天候が悪化しているときなどは、機関長の判断で機関室当直が行われる。
 また無人運転中も、Mゼロ当番機関士が1名とMゼロ維持当番の部員1名が機関室の管理に当たり、日中、Mゼロ運転のための主機や補機の点検・調整作業を行うことはもちろん、食事中や睡眠中も機関室の異常を知らせる警報が鳴れば飛んでいって点検や修理を行うことになっている。
 警報装置は、船橋、機関長室、Mゼロ当番機関士の個室、食堂など、船内のあちこちに設置されており、異常があると一斉に鳴りだす。夜間なら、当番機関士の対応が遅れれば、全員が目を覚ましてしまうことにもなりかねない。
 いかに技術が進歩したとはいえ、何万馬力もの巨大な主機やさまざまな補機を24時間支障なく動かし続けるには、やはりこうした機関士や機関部員の努力が不可欠なのである。
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