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海運雑学ゼミナール
164 コロンブスが紹介した南米原住民の寝具・ハンモック
 大航海時代の初期、狭い船内にはベッドをつくることができず、乗組員はすべて貨物やロープが所狭しと積まれた船内のあちこちに適当な隙間を見つけて寝ていた。こうした事情が改善されたのは、ネットやキャンバスを2本の支柱の間に渡してベッドの代用にするハンモックが登場してからのことだった。
 これをヨーロッパに紹介したのはコロンブス。第2次航海のとき、現地の人々が「アマカ」と呼ばれる繊維を編んだ網を樹と樹の間に吊るし、その中で寝るのを見たのがヒントだった。「ハンモック」という呼び名は「アマカ」がなまったものとされる。
 ただし、これには異説があり、こうした寝具はそれ以前から英国で使われていたが、当時大陸には知られていなかっただけだとともいわれる。
 キャンバス製のハンモックは極めて丈夫だったため、英国などでは、軍艦が戦闘準備に入るとき、これを丸めて上甲板の周囲に並べて弾除けに使った。このため18世紀の英国海軍では「ハンモックを上へ」が「戦闘用意」を意味していた。
 しかし、甲板にごろ寝するよりはましだったにせよ、絶えず揺れ動く船の上で、さらにブランコのように揺れるハンモックの寝心地はどんなものだったろうか。こんなことからも、当時の船乗りたちの苦難に満ちた生活が想像できる。
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