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海運雑学ゼミナール
168 「パナマックス」は、パナマ運河を通れる最大船型
 船の大きさを示す用語として「パナマックス」という言葉がよく聞かれる。これはパナマ運河を通航できる最大船型という意味で、長さ900フィート(約274m)以内、幅106フィート(約32m)以内の船で、ばら積み船の場合は載貨重量トン(D/W)が6万〜6万8,000トンクラスの船を指す。
 水平式のスエズ運河と異なり、パナマ運河は閘門式と呼ばれ、船をロック(閘門)で仕切られたチャンバー(閘門室)に入れ、チャンバー内の水面を上下させ、階段状に船を海抜26mのガツン湖まで上昇させたり、反対にガツン湖から海まで下降させる方式。このチャンバーに入ることのできる最大のサイズがパナマックスというわけだ。
 パナマックスという呼び方は、ばら積み船の大きさを示すときに使われることが多いが、実際には、コンテナ船や自動車専用船、外航客船なども、このサイズでつくられていることが多い。
 一方、これより小さい1万8,000〜4万5,000D/Wのばら積み船は「ハンディサイズ」と呼ばれる。大きさが手頃で、世界のほとんどの港に入出港できる便利さからこの名がついており、世界のばら積み船船腹量の中でも最大の比重を占めている船型だ。逆に、パナマックスよりさらに大きく、パナマ運河が通航できずに希望峰回りとなる15万D/Wクラスの大型ばら積み船は「ケープサイズ」と呼ばれる。またタンカーの区分けとして、スエズ運河の満船通航が可能な15万D/Wクラスのタンカーを「スエズマックス」と呼ぶこともある。
 このように船の大きさは、航路や入出港する港の制約によっても決まってくる。大型化して規模のメリットを追求すれば、その分、遠回りの航路をとらなければならないなど運航面での制約も多い。大型船すなわち経済船とはいかない点が、船の経済学では忘れてはならないことの一つだ。
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