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海運雑学ゼミナール
169 賭博場で生まれたサンドイッチ
 1778年の第3次世界就航で現在のハワイ諸島に到達したジェームス・クックは、この島々を「サンドイッチ諸島」と命名した。「サンドイッチ」とは、当時の海軍大臣で、クックの探検航海の推進に力を注いだサンドイッチ伯ジョン・モンタギューにちなんだ名前だ。
 モンタギュー家は、1662年のチャールズ2世の王政復古の際の功績でドーバーの北にあるサンドイッチの領主に任ぜられ、代々、イギリス海軍の重鎮として活躍。4代目のジョン・モンタギューは、1749年から1782年まで海軍大臣を勤め、アメリカ独立戦争では強硬派として名を馳せたが、一方で公私混同も目立ち、これが独立戦争での敗因の一つになったとして、戦後失脚している。
 ところで、この4代目サンドイッチ伯の名にちなんで命名されたものがもうひとつある。言うまでもなく「サンドイッチ」。パンの間にコールドミートや野菜をはさんだあの食べ物である。
 私生活では無類のギャンブル好きだった彼は、ある日、ロンドンの賭博場で一昼夜にわたりギャンブルに興じた。その間、食事のためにテーブルを離れる時間を惜しむあまり、召使いに指示してこれを作らせたという。以来、考案者の名をとってサンドイッチと呼ばれるようになったともいわれている。
 サンドイッチ諸島は、その後、現地名の「ハワイ諸島と呼ばれるようになり、サンドイッチ伯の名もまた歴史の彼方に消え去ったが、食べ物の方のサンドイッチは、軽食のベストセラーとして、現在も世界の人々に親しまれている。
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