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海運雑学ゼミナール
179 船舶の性能維持に欠かせないドック入り
 人間に健康管理が必要なように、船にも性能維持のための検査やメンテナンスが必要なことはもちろんだ。就航している間のこうした作業は、エンジン関係なら機関士や機関部員、その他の部分は航海士や甲板部員の仕事で、航海中や停泊中にも絶えず異常のチェックや調整・補修作業が行われている。
 しかし長い航海期間中には、海上での調整、補修だけでは手に負えない問題が出てくることも多い。また海中に没している船底部や推進器、舵などまでは手が回らない。そこで船舶の場合も、自動車の車検に相当する定期的な検査が船舶安全法によって義務づけられている。
 例えば外航貨物船の場合、建造中に行われる製造検査に合格すると有効期間が5年の船舶検査証書が交付される。以後5年周期で繰り返される検査を定期検査といい、定期検査のない年には中間検査が行われる。
 さらに、定期検査を含む5年間の証書有効期間中に2回は必ずドック入りして検査が行われる。この時は、船底に付着した貝類や海藻類の除去と船底塗料の再塗装、主機関を始めとする機器類の調整や修理など、広範なメンテナンス作業も同時に実施される。
 こうした作業を行うために、造船所には、建造用とは別に修理用のドックが用意されている。つまり造船所は、船を建造するだけでなく、健康診断や治療を行う病院の役割も持っているわけだ。「人間ドック」という言葉が、ここから生まれたのは言うまでもない。
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