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海運雑学ゼミナール

194 北極星は2万6000年周期で一巡する星々の当番制

 北極星とは、地球の自転軸の北極側の真上に位置し、常に天空のほぼ一点に止まってみえる星のこと。現在はこぐま座のアルファ星がこれにあたる。しかし今から約5000年前の北極星はりゅう座のアルファ星だった。
 現在の北極星がその役割を果たすようになったのは約2000年前のことで、約2000年後にはケフェウス座のガンマ星が、約8000年後にははくちょう座のデネブが、さらに約1万2000年後にはこと座のベガが、そして約2万6000年後には再びこぐま座のアルファ星が北極星になる。北極星は、いわば2万6000年で一巡する星々の当番制なのである。
 こうした現象が起こる原因は「歳差運動」と呼ばれる地球の首振り運動にある。地球は、太陽や月の引力で、自転しながらさらに止まりかけたこまが首を振るように自転軸の傾きの方向を変える。この首振りの1回の周期が約2万6000年で、これによって自転軸の真上にくる星が、年々移動していくのである。
 今から約5000年前といえば、エーゲ海やエジプト、メソポタミアなどで、すでに海上交通の発達がみられた時代だ。しかし当時の船乗りが北を指す目標として用いた星は、現在の北極星とはまったく別の星だったわけである。
 夜空を眺めながら、どの星が過去や未来の北極星か頭の中でシミュレーションすれば、ちょっとしたタイムスリップ気分も味わえそうだ。
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