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海運雑学ゼミナール

209「man」が付いた複合語が「船」を意味する英語の不思議

「スポーツマン」、「セールスマン」といえば、当然人間の話だが、英語で「マン」が付けば何でも人間のことというわけではない。
 例えば「merchantman」といえば「商船」を意味し、「East Indianman」は、東インド会社の貿易船を、「Duchman」はオランダ船を意味する。さらに「man of war」といえば軍艦を意味するというように「man」が付くとそれが船のことを指すようになる用例が数々ある。
 ワグナーのオペラで有名な「Flying Duchman」は日本では「さまよえるオランダ人」と訳されることが多い。しかし実際には呪いによって永久に洋上をさまよう運命を与えられた幽霊船の意味で、一つの熟語だ。あえて訳せば、単に「幽霊船」とするのが正しく、これはドイツ語の「Der Fliegende Hollander」でも同様だ。
 英語の文法の中では、ことさらに女性名詞として扱われる船が、どうして man なのか、あるいは広義に「人間」の意味にとっても、なぜ船が man なのか、英語を母国語としない身にはよく分からないが、日本人にファンの多いワグナーの代表作の一つが、未だに誤訳されるケースが多いのは何とかしたいところだ。
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