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海運雑学ゼミナール

213 38年ぶりに破られたブルーリボンの記録

 1952年に米国の客船「ユナイテッド・ステーツ」は、平均速力35.59ノットの大西洋横断東航の新記録を達成。ブルーリボンの栄誉に輝き、以来38年間その記録は破られなかった。
 しかし1990年6月、ついに新しいブルーリボン・ホルダーが生まれた。オーストラリアで建造されたウェイブ・ピアサー型カーフェリー「ホーバースピード・グレート・ブリテン」。東航で平均速力36.65ノットの快記録だった。
「ウェイブ・ピアサー」とは日本語で言えば「波浪貫通型船」。双同船の一種で、2つに分れた船体は刃物のように鋭く、波を切り裂いて進むことで、造波抵抗と船体の上下動を押さえ、高速で揺れにくいという特徴をもつ船だ。
 水中翼船のような非排水量型ではないため、大型化も可能で、この船も3,000総トン、全長74m、乗用車80台と450名の旅客を運ぶ。こうした高速船としては大型の部類だ。
 ユナイテッド・ステーツは24万馬力のタービン機関を積んだ怪物船。一方のホーバースピード・グレート・ブリテンが搭載しているのはわずか1万馬力のディーゼル機関。この小出力でトライアルでは42ノットを記録した。高速性と経済性を両立させたそのユニークな技術は、今後、世界の注目を集めることだろう。
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