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海運雑学ゼミナール

231 船酔いの有力容疑者は周期約6秒のピッチング

 乗り物酔いの中でも、船酔いは特にきついといわれる。その理由は、まだ完全に解明されていないが、どうも船特有の揺れの周期に原因があるという説が有力だ。
 エレベータのように上下に大きく揺れる部屋に被験者を入れ、揺れの周期と速度を変えて嘔吐率を調べたある実験では、上下方向の加速度もさることながら、揺れの周期による嘔吐率の変化が極めて大きいことが確認された。
 このとき最も嘔吐率の高かった周期は約6秒。これは海が少し荒れた場合に、いちばん起こりやすい揺れの周期でもある。
 では船内で最も船酔いしにくい場所はどこかというと、同様にやや荒れた海を航行する客船内のさまざまな場所での嘔吐率を調べた実験で、船の中央よりもやや船尾方向に寄った場所が最も嘔吐率が低いという結果が出た。
 この場所は、ほぼ船の前後方向の重心位置で、縦揺れ(ピッチング)の場合、船はここを中心にシーソーのように上下に揺れる。従ってシーソーの支点に当たるこの位置は、いちばん上下動が少ない場所ということになり、実験結果もそれを証明している。
 もちろん酔うか酔わないかは、体質や慣れ、体調や精神状態など他の要因によっても左右されるが、こうした船特有の揺れが船酔いの有力な容疑者であることはまず確実なようだ。
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