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海運雑学ゼミナール

234 海から空へ、そして陸へ利用が広がるインマルサット

 インマルサット海事衛星は、大洋を航海中も陸上同様に電話やファクシミリなどの利用を可能にする、船舶のための移動体通信システムとして登場。従来、陸上や他船との情報のやりとりを船舶無線に依存していた船内業務や船内生活に大きな変化をもたらした。
 SOS信号を不要にしたGMDSS(全世界的な海上遭難・安全システム)でも主要な通信システムとしての位置を占め、海事通信の分野で果たす役割の大きさは計り知れない。
 そのインマルサットの利用分野が、近年、陸や空にも広がりをみせている。まず1990年頃から旅客機への導入が進み、機内からダイヤル通話やファクシミリの送受信が可能になった。
 さらにデジタル通信技術の進歩でスーツケース大の携帯型地上局も登場。簡単に持ち運べ、砂漠の真ん中からでも世界中と交信できるこの地上局は、湾岸戦争時には報道機関や政府機関の間でひっぱりだこになった。
 その後、携帯型地上局はアタッシュケース大にまで小型化が進み、災害で通信が遮断された地域や通信インフラのない地域での有用性が認められる。洋上はもちろん陸上の医師がいない地域への緊急時の医療通信サービスにも利用できるなど、その応用分野はさらに広がっている。
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