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海運雑学ゼミナール

254 基準に合わなければ持ち帰り。厳しさを増す船内のゴミ管理

 かつては、多少のゴミなら、そのまま投棄しても海洋の浄化能力によってすべて分解・吸収されると考えられていた。しかし海上交通が発達し、数多くの船が大洋を行き交う現代では、これは通じない論法だ。
 とくにプラスチックやビニールなど、自然が分解吸収できない廃棄物や海洋汚染の原因となる洗剤、化学薬品などの投棄は、海洋の環境保全を考えるとき見逃せない。
 そこでIMO(国際海事機関)は海洋汚染防止のためのMARPOL条約のなかで、船舶からの廃棄物の投棄に厳しい制限を加えた。
 船内から出る廃棄物は、種別、投棄海域、投棄物の形状まで詳しく条件が定められ、その条件に適合しない場合は、船内に保管して陸上に持ち帰らなければならない。
 まずプラスチックや不燃性のゴミは投棄禁止。可燃性のゴミは、焼却後、灰として、また食物の屑は粉砕して投棄しなければならない。また、焼却灰であってもPCB(有機塩素化合物)などの投棄は禁止されている。
 NOxやSOx、二酸化炭素の排出規制なども含め、船舶の公害対策のハードルは、こうして年々高まっている。人類共通の資産である海を活動の場とする海運にとって、海洋環境保全への努力は、まさに21世紀における最も重要な責務の一つといえる。
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