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海運雑学ゼミナール

255 村上水軍が考案した世界最初のスクリュー船

 船舶用スクリュープロペラの発明は18世紀前半とされるが、日本の戦国時代に活躍した村上水軍の水軍書には、驚くことに、おそらく世界最初のスクリュープロペラ船のアイデアといえる車輪船の図がすでに登場している。
 動力はもちろん人力。櫓の場合、何人もが一緒に漕いでもさほど効率は上がらない。しかしスクリュー式なら回転軸にハンドルをいくつも取り付ければ、複数の漕ぎ手の力を合わせてプロペラが回せる。おそらく大型船、あるいは高速船の推進装置として考案されたのだろう。
 1枚1枚の羽根は、水を後方に押して推進力を得る櫂の形状ではなく、角度をつけて左右に動かし、発生する揚力によって推進力を得る日本式の櫓のような形状になっており、原理的にも後世の外輪船のパドルより現代のスクリュープロペラに近いように見える。
 このほか、当時の水軍書には「竜宮船」と称する潜水船も登場する。水中では効果のない外輪を使い、空気の入れ替えも考慮されていないなど、こちらはほとんど絵空事のレベルだ。
 いずれも水軍の各流派がPRのために捻り出した荒唐無稽なアイデアで、おそらく実戦に使うことなど考えてはいなかったのだろうが、そのユニークな想像力はどことなく微笑ましい。
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