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海運雑学ゼミナール

264 「SOS」の意味は「Save Our Ship」??

 世界で最初に「SOS」の信号を発したのは、1912年4月14日に北大西洋で遭難したタイタニック号だというのは有名な話。しかしSOSが国際遭難信号として正式に採用されるのは、1912年7月5日、第2回国際無線電信会議(ロンドン)で国際無線通信規則が採択されて以降のことで、タイタニック号のSOSは、これより20日余り溯ることになる。
 その種明かしはこうだ。タイタニック号の遭難当時、一般的に使われていた遭難信号は「CQD」だった。しかしSOSも、すでに1906年の第1回国際無線電信会議で提案されており、まもなく開催される第2回の会議ではこちらが正式採用になるという情報をタイタニック号の無線通信士は知っていた。そこで彼は、最初にCQDを発信し、次いでSOSを発信した。遭難通信システムの規定がまだ相当あいまいだった当時のこと、どちらか一方だけでは不安だという通信士の切迫した気持が伝わる話だ。
 ところでこのSOSにしてもCQDにしても、単に打電しやすく聴き取りやすいモールス符号の組み合わせで、特別な意味はない。しかし採用当時はSOSが「Save Our Ship(我々の船を救え)」「Save Our Soules(我々の生命を救え)」あるいは「Suspend Other Services(他の仕事は中止せよ)」の略で、CQDが「Come Quick Danger(急いで来い、危険)」の略だといったまことしやかな説も登場した。
 遭難信号としては、その後、無線電話の普及に伴って「Mayday(メーデー)」も採用された。こちらはモールス符号ではなく肉声で発信され、フランス語の「m'aidez(私を助けよ)」に由来する。ただし綴りは、発音が似ていてより覚えやすいMaydayと表記された。
 無線電信によるSOSは、過去数十年にわたり海上での人命安全に寄与してきたが、全世界的な海上遭難・安全システム「GMDSS(Global Maritime Distress and Safety System)」が1992年2月より完全導入されたことで、ついにその使命を終えた。
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