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海運雑学ゼミナール

269 コンテナ船:大型化が進むコンテナ船

 戦後、船型の大型化が最も進んだのがタンカーだった。1970年代後半には50万重量トンを超す超大型タンカーも出現したが、その後オイルショックなどを経て、現在は30万重量トンクラスのVLCCが主力となっている。その一方で、最近、急速に大型化が進んでいるのがコンテナ船だ。
 シーランド社が北大西洋航路で世界最初の国際海上コンテナ輸送を開始したのは1966年。このとき投入されたコンテナ船は35フィートコンテナでわずか226個積みだった。それが1968年に日本・北米西岸航路に就航した日本初のコンテナ船「箱根丸」では752TEU(TEUは20フィートコンテナ換算の積載個数)にまで拡大。さらに1970年代に入ると国際海上コンテナ輸送は発展期に入り、コンテナ船も一気に大型化し、2,000TEU前後が定期航路の主力となる。
 大型化の傾向はその後も続き、1988年には、4,000TEUクラスのオーバーパナマックス型(パナマ運河を通航できる最大船腹を超える船型)が登場するに至った。さらに1990年代に入ると6,000TEUクラスも登場する。このクラスになると全長は300メートルを超え、長さではVLCCに匹敵する巨大船だ。
 現在、世界の大手船社の多くがこうした超大型コンテナ船を相次いで就航させている。
 大型化が進む最も大きな理由は経済性だ。船が大きくなれば、当然、燃料費も増えるが、積載貨物量の増大による1航海あたりの収入増がそれを上回る。船が大きくなっても乗組員数はほとんど変わらないから、相対的にみれば人件費の削減となる。船自体の建造コストも、単位積載量当たりでは相対的に減少する。
 一方、クルーズ客船にも最近は大型化の傾向が見られ、カリブ海を中心に10万総トンクラスの大型客船が相次いで就航。さらに25万総トン、旅客定員6,000人という超大型客船の構想もあるという。ただしこちらは大型化とともに豪華さの競争もし烈になっているようで、経済性の追求とはいささかニュアンスが異なるようだ。
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