日本船主協会

トップページ海運雑学ゼミナール

海運雑学ゼミナール

270 「超弩級」の語源となった天下無敵の「ドレッドノート」

 最近はあまり聞かなくなったが、それでも映画のキャッチフレーズなどで「超弩級アクション」といった表現は最近もたまに見かける。
 圧倒的な、無敵のといった意味で使われるこの「超弩級」という言葉、やや年配の人なら多少馴染みがあるはずだが、その由来まで分かっている人がどのくらいいるだろうか。
 超弩級の「弩」は「ドレッドノート」の「ド」への当て字。ドレッドノートとは1906年に建造された英国の戦艦の名前だ。
 排水量1万7,900トン、12インチ砲10門を備え、軍用艦としては世界初の蒸気タービンエンジンを搭載、21ノットの高速を誇るこの戦艦は、当時、世界最強といわれた。
 そこで英国海軍はそれにふさわしい名前をと考え、dread(恐れる)と nought(無)の2語を組み合わせた Dreadnought という艦名を与えた。日本語に訳せば「何ものも恐れない」、「天下無敵」といった意味になる。
 英国民からすれば、なかなか気の利いたネーミングだったのだろう。そのうち、固有名詞だったはずのこの言葉は、大型で強力な戦艦を指す一般名詞となり、さらに、こわもての上流夫人や強い母親などを指す言葉としても一般化する。
 わが国でも同様に「弩級」「超弩級」という当て字で、最初は戦艦のクラスを示す用語として使われ、そのうち映画やイベントのキャッチフレーズとして一般的に使われるようになった。
 戦艦としてのドレッドノートは、その後の軍拡競争のなかであっという間に陳腐化したが、1世紀近くたった今も「超弩級」という言葉は、マンネリ化したとはいえ生きている。キャッチフレーズの長生き記録としては、まさに天下無敵といえそうだ。
前のページへ海運雑学ゼミナールタイトル一覧へ次のページへ