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海運雑学ゼミナール

278 マラッカ海峡:マレー半島横断原油パイプライン計画

 マラッカ海峡は、中東・欧州などと東アジアを結ぶ海上輸送路の要衝だが、狭く浅瀬が多いうえに1日数十隻もの大型タンカーが行き交う海の難所でもあり、航行過密による接触事故や海洋汚染も懸念されている。そのマラッカ海峡の混雑緩和を目指して現在進められているのが「マレー半島横断原油パイプライン計画」だ。
 この計画を推進するのは民間団体の日本国際協力機構(JAIDO)で、日本の海運会社を含む民間企業4社と、マレーシアおよびタイの国営石油会社や州政府など地元の企業・団体が参加。パイプラインによるマラッカ海峡の代替原油輸送ルート完成を目指す。
 パイプラインは、マレーシア北西部のケダ州アロースターとタイ南部のサイブリ間を結び、全長は約190キロメートル。すべて地中に埋設され、パイプライン両端には、日本および東アジア諸国からの無償供与または無償貸与の形で、極東の6日分の消費量に相当する1,000万キロリットルの原油貯蔵基地を建設する。
 輸送能力は1日にマラッカ海峡を通過する原油量の約20%に相当する200万バレル。輸送コストは、VLCCでマラッカ海峡を通過した場合とほぼ同程度とみられている。
 マレーシア政府も、事故による海洋汚染の防止やタイとの国境地帯の地域開発に貢献すると高く評価。日本と新興アジア地域を結ぶ民間ベースの経済協力の試みとしても大きな期待が寄せられている。
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