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海運雑学ゼミナール

281 大航海時代に先駆けた琉球王国の壮大な交易活動

 大航海時代に先駆ける14〜15世紀、琉球王国は東アジアの貿易の拠点として華々しい繁栄を謳歌していた。東は中国、南はフィリピン、ベトナム、タイ、北は九州や近畿地方、そして朝鮮半島に至る広大な地域を縦横に往来したその旺盛な活動の背景には、元を滅ぼして新たな王朝を築いた明の存在があった。
 明は外国との国交・貿易に中国の伝統的なシステムである朝貢貿易という形態をとった。これは明へ朝貢を行う国とのみ貿易活動を行うというもので、朝貢国として認知されない国の船は中国の港に入港できない。ところが琉球は、明王朝成立直後の動乱期に、火薬原料の硫黄や軍馬を輸出したことから友好関係が生れ、朝貢国の中でも高いランクに位置づけられていた。
 さらに明がとった海禁政策によって、中国の商人は海外に渡航することを禁じられた。こうして琉球王国は、東アジアにおける対明貿易をほぼ独占するようになったのである。
 琉球の貿易活動はこれにとどまらず、さらに東南アジアや日本・朝鮮を結ぶ中継貿易に発展。「舟楫を以って万国の津梁となし、異産至宝は十方刹に充満せり(舟を操って世界の架け橋となり、国中に諸外国の至宝が満ち溢れている)」と自画自賛するほどの繁栄をもたらした。
 この壮大な大交易時代は、16世紀以降のスペイン・ポルトガルの進出や明の弱体化、そして17世紀初頭の島津氏の侵入によって終わる。しかし大航海時代に先駆けた南海の王国・琉球の栄光の時代は、海の道を通じた交易活動が、国土や人口に関わりなく、一国の経済発展にいかに大きな力をもつかを示す好例といえるだろう。
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