日本船主協会

トップページ海運雑学ゼミナール

海運雑学ゼミナール

297 「海上交通三法」が支える日本の海の交通安全

 広大で自由そのものに見える海も、タンカーやコンテナ船のような大型船にとっては必ずしもそうではない。とくに大小様々な船舶が輻輳し、危険な浅瀬や暗礁も多い狭水道や湾内では、定められたルールや秩序を守ることで初めて安全な航海が保たれる。
 そうした海上での交通安全ルールを定めているのが「海上交通三法」だ。海上交通三法は「海上衝突予防法」「港則法」「海上交通安全法」の3つの法律から成る。
 海上衝突予防法は、IMO(国際海事機関)による国際条約に基づいて制定された国内法で、世界共通の海上交通のルールを定めたもの。見張りの要領や安全速力、衝突の回避法など航法全般の規定、灯火や形象物の規定、音響信号や発光信号の規定から成る。
 これに対し港則法は、大型船や外国船が出入りする全国の主要港湾ごとに定められた法律。適用は港内にのみ限られ、航路内での右側通行、追い越し禁止、出入港船舶の優先権、入出港の届出義務、夜間入港や危険物積載船についての制限などをきめ細かく規定している。
 最後は、海上交通安全法。これは船舶の往来が激しい海域で、海上衝突予防法のみでは対処しきれず、しかも港則法ではカバーされない東京湾、伊勢湾、瀬戸内海などの広い海域に適用される。ただしこの海域内にある港の中については港則法があくまで優先される。内容は、航路航行義務、航行船舶の優先権、速力制限など航法に関するものが中心だ。
 万国共通のルールを定めた海上衝突予防法、港ごとの特殊事情に基づく港則法、そのどちらもカバーしきれない特定の輻輳海域のルールを定めた海上交通安全法。これらが三位一体となって、日本の海の交通安全は守られている。
前のページへ海運雑学ゼミナールタイトル一覧へ次のページへ