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海運雑学ゼミナール

299 オランダ東インド会社は世界最初の株式会社

 1602年に、オランダ連邦議会の決議によって、世界で最初の株式会社が誕生した。オランダ東インド会社だ。ライバルのイギリス東インド会社はそれより早い1600年に活動を開始したが、株式会社の形態になったのは1657年以降だった。
 正式には「連合東インド会社(Vereenighde Oost Indische Compagne)」と呼ばれたこの会社はジャワ島のバタビア(現在のジャカルタ)に本拠を置き、国家から東インド地域での独占的な貿易権とともに、植民地での立法権、徴税権、通貨の発行権、裁判権、さらには条約の締結権から戦争の遂行権まで認められていた。
 最盛期には約40隻の戦艦、約150隻の商船、約1万人の軍隊を擁したその業容は、現代の株式会社の印象とは相当かけ離れたもので、貿易も行えば行政や戦争も代行する、いわば植民地に根を下ろしたもう一つの国家といえた。
 貿易や植民地からの徴税による莫大な利益は、国家への上納金や株主への配当金として還元され、株主には年間約20%、多いときは50%の配当が支払われたという。
 同社は後を追って東インド進出を図ったイギリスやフランスとの熾烈な戦いや植民地の反乱によってやがて衰退し、1798年に解散した。ライバルのイギリス東インド会社はそれと交代するようにインドを拠点に勢力を伸ばし、その栄光の歴史は200年以上におよんだ。
 しかし植民地維持のための戦争や過酷な搾取による植民地の疲弊、さらには肥大化した組織の腐敗によって経営が悪化した点はオランダ東インド会社の場合と同様だった。
 セポイの反乱(1857〜59年)を契機に同社の権限はすべて政府に移管される。イギリス東インド会社が200年以上にわたる歴史の幕を閉じたのはそれから十数年後の1874年のことだった。
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