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海運雑学ゼミナール

314 燃料重油の不純物を除去する船の腎臓ともいうべき清浄機

 船舶燃料として使われるC重油は、水分や炭素性固形物などの不純物を多く含んだ純度の低い油種。これを安全に使えるように浄化処理する清浄機(Purifier)は、重油を燃料とする船にとって不可欠な設備だ。
 燃料タンクに積み込まれた燃料油は、燃料移送ポンプでまず燃料油沈降タンクに送られる。ここでは燃料油を加熱して流動性を高め、しばらく静止させて、重力により水分や固形分を沈降させる。こうして大まかに浄化された燃料油から、さらに細かな不純物を取り除く装置が清浄機だ。
 清浄機は大型の遠心分離機で、毎分数千回転の高速回転体に油を入れ、遠心力で水分や固形物を回転体の外周部分に集める。中心部分に残る油は、固形分や水分がほぼ完全にとり去られた純度の高いものになるが、その中にはまだアスファルト成分などが溶けて残っている。最後にこれをフィルターで濾過して初めて、C重油は燃料として使用可能になる。
 清浄機を必要とするのは燃料油だけではない。エンジンの潤滑油も、運転中に一部を潤滑油専用の清浄機に通し、汚染物を除去して性状を一定に保っている。
 長期間の航海中エンジンを止められない船にとって、これらの補機は、人間でいえば血液を浄化する腎臓に匹敵する重要な装置なのである。
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