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A:海洋環境 7.バラスト水の管理に関する国際条約

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(2)経緯

 1903年、北海においてアジア産植物性プランクトン藻類が集団発生したのが、外来種海洋生物侵入の最初の報告例であるが、この問題が国際的に議論され始めたのは、1970年代に入ってからであり、1973年のMARPOL条約の会議において、「伝染病バクテリアを含むバラスト水は、排出された場合、他国への伝染病拡散の危険を生ずる可能性がある」ことを明記した決議が採択された。
 1980年代後半から、外来種海洋生物等による被害が多く報告されるようになった。具体的には、米国・カナダにまたがる五大湖においてヨーロッパ・ゼブラ貝(European zebra mussel)が繁殖し、海中構造物や水管に付着した貝を除去するために数十億ドルの支出を余儀なくされた。また、黒海・アゾフ海に伝播したアメリカ櫛クラゲ(American comb jelly)によって、アンチョビーおよびスプラット・イワシ漁がほぼ絶滅した等の例がある。
 このような状況の中、1988年にバラスト水に含まれる有害海洋生物の問題が初めてIMOにおいて提起された。それ以来、バラスト水に含まれる有害海洋生物の越境移動防止が最もプライオリティーの高い課題の一つと位置付けられ、海洋環境保護委員会(MEPC)を中心として検討が進められた。
 1990年の第30回海洋環境保護委員会(MEPC)では、バラスト水作業部会を設置し、1991年には「船舶バラスト水・沈殿物排出による好ましくない生物・病原体侵入防止のためのガイドライン(MEPC決議50(31))」が採択された。
1993年11月、「船舶バラスト水・沈殿物排出による好ましくない生物・病原体侵入防止のためのガイドライン」が、IMOの総会決議A.774(18)として採択され、さらに 1997年11月、第20回総会において、A.774(18)の内容を修正した総会決議A.868(20)「バラスト水の規制および管理に関するガイドライン」が採択され、有害海洋生物および病原体の伝播を最小化するためにバラスト水を洋上で交換することが勧告された。
 バラスト水規制のための条約案の検討は、1994年に開催された第35回MEPCから開始され、2004年2月13日に「バラスト水管理のための国際条約(International Convention for the Control and Management of Ships' Ballast Water and Sediments)が採択された。この条約は、30ヶ国以上の批准、かつ合計船腹量が世界の35%を超えてから12ヶ月後に発効する。また、条約実施のための14のガイドラインを2005年7月までに策定することとしている。

■資料19:IMOにおけるバラスト水規則・ガイドライン等策定経緯