日本船主協会

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A:海洋環境 7.バラスト水の管理に関する国際条約

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(4)条約の内容と当協会の対応

 バラスト水管理の条約化にあたり、当協会は海洋環境保護を念頭に置きつつ、船舶の運航実態やバラスト水交換の実績を調査するなど、海洋環境保護と船舶の円滑な運航を確保するため、長年に亘り日本政府に対して様々な働きかけを行ってきた。政府も当協会同様に、環境保護と船舶の円滑な運航確保の重要性を認識し、IMOおよび諸外国に対して日本の意見への賛同を求めた。しかし、10年以上に亘るIMOの審議の間には、コレラなどの伝染病が流行した諸国からは、バラスト水を媒体として外国から病原菌が浸入してきたとの意見が出され、病原菌も規制の対象とすべき議論に発展した。
 このように、規制の対象生物を決定する議論に莫大な時間が費やされた。一方、船舶の運航面から条約の検討を行う国は僅かであり、バラスト水の交換海域など、船舶の運航に大きく関連する事項は2003年7月に開催された第49回MEPCと条約採択時の外交会議で議論された程度で、深く検討されることが殆どなかった。
 その結果、船舶の運航を考慮しつつ海洋環境保護を図る意見よりも、海洋環境保護に重点を置く意見が圧倒的に多く、条約化に10年以上の時間を費やしたが、採択された条約は、バラスト水処理装置と呼ばれるプランクトン等を死滅化、不活性化させる装置が開発されていないにもかかわらず、既に就航している船舶にも一定の時期以降に処理装置の搭載を要求している他、バラスト水交換を行うためには、通常航路からの迂回や停船が生じる惧れがあるなど、極めて実行性に欠ける内容となった。

■資料20:バラスト水管理条約実行上の問題点の一例