JSA 社団法人日本船主協会
文字サイズを変更する
小
中
大

Homeプレスリリース&トピックス2009年 > 「海の日」を迎えて(7月20日)

プレスリリース

2009年7月20日

「海の日」を迎えて

平成21年の「海の日」を迎えるにあたり、ひと言ご挨拶申し上げます。
 昨年秋以降の世界同時不況は、わが国および世界の実体経済に前例のない深刻な影響を及ぼしており、わが国海運業界も極めて厳しい状況に直面しています。
 このような状況下、海運業界が引き続きわが国および世界の経済活動を支える重要なインフラとしての役割を果たしていくためには国際競争力のさらなる強化が不可欠です。このため、トン数標準税制が円滑に実施されるよう注視するとともに、「国際船舶に係る登録免許税の軽減措置」や「中小企業投資促進税制」を始めとする今年度末で期限を迎える現行海運税制の維持・改善を図ります。併せて、安定した船隊整備に必要な政策金融の確保に努めます。

海運業界が安定した輸送サービスを提供するには、船舶の安全運航の確保が不可欠です。ソマリア沖・アデン湾における海賊事件の急増に対処するため、自衛隊法に基づく海上警備行動が発令され、自衛艦2隻によって護衛活動が行われております。さらに6月には、恒久法である海賊対処法が成立し、より実効ある護衛活動が期待されます。この海域を航行する船を含め、全ての船舶の安全性が確保されるよう、引き続き関係官庁等と密接に連携を図ってまいります。

環境保全の推進も非常に重要な課題です。地球温暖化防止対策に関しては、IMO(国際海事機関)において検討が行われている温室効果ガスの排出抑制策について、関係方面と連携し、外航海運の特徴を踏まえた公平かつ実効性のある削減対策が構築されるよう努めます。また、船舶のリサイクル問題にも適切に対応します。

内航海運においては、景気後退による運賃および用船料の下落、船腹過剰等への対応が喫緊の課題となっております。日本内航海運組合総連合会と協調し、内航海運の活性化対策を推進するとともに内航船員確保対策も進めます。

このほか、日本人海技者の不足の問題への対応、外国人承認船員を確保、国際船員問題にも積極的に取り組むとともに、水先制度については、水先業務運営の透明性確保や競争原理の導入など必要な改善を求めてまいります。

国民の祝日「海の日」は、『海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う』ことを趣旨としています。7月20日の「海の日」を迎え、活動の舞台を海に持つ私たち海運業界は、最も海の恩恵を受ける者の一員として、改めて海に感謝し、海洋国日本の繁栄を祈念いたします。

以上

  • オピニオン
  • 海運政策・税制
  • 海賊問題
  • 環境問題
  • 各種レポート
  • IMO情報
  • ASF情報
  • 海事人材の確保