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プレスリリース

2009年9月24日
社団法人日本船主協会

アジア船主フォーラム 航行安全・環境委員会第17回中間会合の開催について

2009年9月18日、アジア船主フォーラム(ASF)航行安全・環境委員会(SNEC)(委員長:S. S. Teoシンガポール船協会長)の第17回中間会合がシンガポールにおいて開催され、添付のとおりプレスリリースされましたので、お知らせします。
 同会合では、ASFメンバーである中国、香港、インド、日本、韓国、台湾、ASEAN(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の各船主協会の出席の下、アデン湾における海賊問題や温室効果ガス削減問題など、船舶の航行安全および環境保全に関する多くの案件について審議されました。

以上

本件に関するお問合せ先 社団法人日本船主協会 海務部

Tel:03-3264-7177 (e-mail:mar-div@jsanet.or.jp) 斎藤


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アジア船主フォーラム 航行安全・環境委員会 第17回中間会合 プレスリリース

1. アジア船主フォーラム(ASF)航行安全・環境委員会(SNEC)の第17回中間会合が、シンガポール船主協会主催の下、2009年9月18日、シンガポールにおいて開催された。

2. 会合には、中国、香港、インド、日本、韓国、台湾、およびアセアン(アセアン船主協会連合:インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの船主協会により構成)の各船主協会代表22名が出席した。

3. シンガポール船協の会長であるS. S. Teo氏がFASAを代表して本会合の議長を務めた。

4. 本会合を通じて、SNECは、船舶の航行安全および海洋環境の保護に関する現下の様々な問題について検討し議論を行った。

5. これらのうち、SNECは特に以下の二つの重要な課題を重視した。

・海賊および武装強盗
SNECは、2009年上半期における全世界の海賊事件発生件数が、2008年同期比で100%以上増加している深刻な状況に留意した。また、海賊事件がソマリア沖水域内とその周辺、アデン湾、紅海海域において頻発し、危険な状況であることに注目した。多くの船舶が、船主からの多額の身代金の強奪を目論む海賊によって、乗組員ごとハイジャックされている。

南西季節風(モンスーン)の時期のため、この三ヶ月間は海賊行為の発生件数は顕著な減少を見せているが、SNECは悪天候が収まってからの海賊行為の再発を懸念している。SNECは、アデン湾を航行中の多数の商船に対して行われている多国籍の海軍による継続的な護衛に対して感謝の意を表明した。さらにSNECは、当該海域における海軍軍事力をより協調させるよう各国政府に要請するものである。

SNECは、アデン湾における迫り来る海賊行為とハイジャックの深刻な脅威を認識した上で、引き続き高度な警戒を行うとともに、アデン湾およびソマリア沖における海賊を抑止するために、至急、自社の船長に対して“The Best Management Practices” (※1)の最新版を浸透させるよう、海運業界に対して強く助言するものである。

また、SNECは、船舶がこれらの海域を航行する際には、同海域に配備されている多国籍海軍によって実施されている護衛活動に参加するよう、船主に対して強く推奨するものである。さらに、船主はMSCHOA(Maritime Security Center ‐ Horn of Africa)(※2)によって提供されている任意の通報システムを採用すべきであるとした。

各船主に対して、全ての船舶に銃器を装備することの無いよう強く助言した。

・温室効果ガス(GHG)の排出
SNECは、海運業界が企業の社会的責任の一部として、地球環境保護のために船舶からの温室効果ガス(GHG)排出の削減に積極的に関与することが重要であるとの認識で一致した。このことは、IMOの第2回GHG調査が、2007年の世界のCO2排出量のうち国際海運からの排出量はわずか2.7%のみであると推計したこととは関わり無く重要である。

SNECは、現実的かつ実際的な経済的手法を通じての、GHG排出削減へ向けた海運業界の積極的な関与を支持するものである。

6. SNECメンバーは、第17回中間会合を主催したシンガポール船協に対して感謝の意を表明した。


(※1)Best Management Practices :ソマリア沖・アデン湾における海賊を防止するための船主および船舶に対するガイダンス。国連安保理決議に基づき設立されたグループ(海運関係の11の国際団体)において起草され、2009年6月にIMOにおいて承認された。

(※2)MSCHOA:欧州保安自衛政策イニシアティブの一環として、「アフリカの角地域」(ソマリア沿岸)の海賊に対処するため、2008年9月にEUによって設立。ブリュッセルに本拠を置き、広範な海事社会とのリンクを設立して、「アフリカの角」地域でのEU軍の運用との調整を担っている。

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