JSA 社団法人日本船主協会
文字サイズを変更する
小
中
大

Homeプレスリリース > 2010年3月3日

プレスリリース

2010年4月1日
日本船主協会

アジア船主フォーラム・シップリサイクリング委員会第13回中間会合の結果について

 2010年3月29日、アジア船主フォーラム(ASF)シップリサイクリング委員会(SRC)の第13回中間会合が香港において開催され、共同声明が採択されましたので、添付のとおりその概要をお知らせします。  同会合では、ASFメンバーである中国、台湾、インドネシア、ベトナム、香港、日本の各船主協会の出席の下、シップリサイクル条約に関連する諸問題や現存船インベントリの早期作成などについて意見交換が行われました。

以上


to english
2010年3月29日、於:香港

共同声明(仮訳)
アジア船主フォーラム(ASF) シップリサイクリング委員会(SRC)第13回中間会合

アジア船主フォーラム・シップリサイクリング委員会(SRC)第13回中間会合が2010年3月29日に香港で開催された。本会合には、ASFメンバー船協から中国、台湾、インドネシア、ベトナム、香港、および日本の代表(13人)が出席した。出席者リストは添付のとおり。

SRCは、台湾船主協会(NACS)が主催し、Bronson Hsieh氏が議事を進行した。同氏は、2009年10月にASF SRC委員長およびNACS会長を前任のArnold Wang氏から引き継いでいる。
出席者は、香港船主協会(HKSOA)が本会合を香港で開催してくれたことに感謝の意を表明した。

1.SRCは、「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(以下、シップリサイクル条約)」に関する外交会議が2009年5月に香港で開催され、同条約が採択されたことに留意した。SRCはシップリサイクル条約を支持するとともに、安全かつ環境に配慮した船舶のリサイクルを達成するために、IMO加盟国が可能な限り早急に批准するよう求めるものである。
これに関連してSRCは、フランスが2009年11月にシップリサイクル条約に署名した最初の国となったこと、およびインド政府が条約批准のために関連国内法規を近々に内閣に提出する予定であると表明したことに歓迎の意を表した。
またSRCは、2009年7月に開催されたIMO第59回海洋環境保護委員会において、「有害物質一覧表(インベントリ)の作成に関するガイドライン」が合意されたことに留意した。
SRCは、シップリサイクル条約の今後の円滑な実施のために、可能な限り早急に残りのガイドラインも作成するようIMOに要請するものである。

2. シップリサイクル条約がここ数年のうちにも発効する模様であることから、SRCは特に現存船のインベントリの早期作成が最重要であることを確認した。船主はシップリサイクル条約の発効後5年以内に所有船のインベントリを作成する義務を負っていることに十分注意すべきである。
同時にSRCは、インベントリの作成には、船主がその作成にあたっての十分な情報資源と専門知識を有しないことから、船舶の建造や設備に関する専門的な知識を有する政府、船級協会、造船所、舶用業者の全面的な関与が必要であることを確認した。

3SRCは、国際海運会議所(ICS)が調整役を務める、海運業界のシップリサイクルに関するワーキング・グループによって、「リサイクル目的の売船に際して船主が取るべき過渡的な方策に関するガイドライン」が2009年10月に発行されたことに留意した。
同ガイドラインは、シップリサイクル条約が発効する前の潜在的な問題を海運業界が最小化し、余剰となった船腹を安全に廃棄するための一助とすることを目的としている。
SRCは、このガイドラインが老朽化し非効率的となった船舶をシップリサイクル条約に従ってリサイクルするための助けとなるであろうことを確認した。

SRCは、次回第14回中間会合をベトナム・ハノイで開催するとのアセアン船主協会連合(FASA)のべトナム船主協会(VSA)からの提案を歓迎し、これを了解した。

環境問題最後に、アジア船主は国際海運業界の主要な関係者として、より安全かつ環境上適切なシップリサイクルを船主が推進するための方策について引き続き議論していくことを確認した。

  • オピニオン
  • 海運政策・税制
  • 海賊問題
  • 環境問題
  • 各種レポート
  • IMO情報
  • ASF情報
  • 海事人材の確保