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プレスリリース

2010年5月28日
日本船主協会

アジア船主フォーラム(ASF)第19回香港総会について

 2010年5月25日(火)に香港で開催された題記総会に関するプレスリリース及び出席者リストを、添付の通り配布致しますので、お取り計らい下さるよう宜しくお願い申し上げます。  なお、当協会の元常務理事の園田裕一氏は、本10年1月1日からASF事務局長として実質的に活動しておりますが、今回のASF総会で正式に事務局長就任が承認されましたので、お知らせ致します。

以上


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2010年5月25日

アジア船主フォーラム(ASF)プレスリリース
(日本船主協会事務局試訳)

アジア船主フォーラム、商船に対する海賊襲撃の停止を求める

アジア船主フォーラム(ASF)は、2010年5月25日に香港で開催された第19回年次総会において、商船に対する継続的な襲撃に強い懸念を表明するとともに、各国の海軍に対し、アデン湾および西インド洋を航行する船舶の護衛を強化するよう求めるものである。SNEC委員長のSS Teo氏は、「状況は、船員およびその家族、そして世界の海上輸送に大きな影響を与える深刻な危機となっている。我々は護衛に感謝するものの、護衛活動ルールは海賊への抑止や処罰に効果的ではないように思われる」と語った。

SILC委員長のGeorge Chao氏は、「オバマ米国大統領が発出した、曖昧な内容の米国大統領令は、拘束された船員を解放するための船主の手段を制限する一方、船員の保護を確約するような対策を何ら講じておらず、混乱を助長しているにすぎない。」と言い添えた。

第19回ASF総会議長のKenneth Koo氏は、「我々は世界各国の政府に対し、この危機への現実的かつ最終的な解決を追求するよう求めるものである。いかなる永続的な解決策も、海上ではなく陸上でのみ見いだすのは明白である。しかし、これらの海賊行為を阻止するために世界各国の政府がソマリア国内で実施している対策はほとんどないようである」と語った。

ASFは、世界経済は最近になって緩やかな回復の兆しを示すものの、未だ安定していない模様であるのは明らかであることに留意した。SERC委員長の工藤泰三氏は、「経済は依然として困難な状況にあり、我々はパナマ運河当局に対し、今この時期に同運河通航料の値上げを行う明白な必要性を見直すよう求める」と語った。

ASFは、6月にマニラの外交会議で審議予定のSTCW条約改定案の船員休息時間に関する規定案について強い懸念を表明した。SC委員長のLi Shan Min氏は、「これまでに提案された休息時間規定案は海運業界の実体を反映していない。船員は、業務量が短期的にピークとなる間、安全のためや例外的な運航上の理由で業務を継続したり、港湾当局の要求に応じたりしなければならないことがある」と語った。ASFは、STCW条約改定最終案が船員の適切な休息を確保するため、各国政府が例外を認める権限を規定することが不可欠であることに合意した。。

ASFメンバーは、温室効果ガス(GHG)の排出削減の重要性を特に認識し、改めて環境保護に向けて全力で取り組むことを約束した。第19回ASF総会議長のKenneth Koo氏は、「環境保護は、持続可能な将来を構築するために我々の業界が取り組むべき最も重要な課題である。我々は、現在の慣行を引き続き改善するよう取り組むとともに、新たなコンセプトやアイデアを発展させることに対して最善を尽くすことが非常に重要である」と語った。

ASFメンバーは、2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(シップリサイクル条約)に対する支持を確認するとともに、同条約を早期に批准するようすべての国に求めるものである。SRC委員長のBronson Hsieh氏は、「シップリサイクル条約が発効するまでの間、我々はすべての船主に対して、有害物質一覧表(インベントリ)の早期作成について検討するとともに、国際機関が発行したシップリサイクルに関するガイドラインを遵守するよう求めていく」と語った。

以上

≪問合せ先≫
ASF事務局長 園田 裕一氏 (Mr Yuichi Sonoda)
電話:+65-6325 4737
Email:information@asf.com.sg
Website : www.asianshipowners.org

注 :
アジア船主フォーラム(ASF)は、各国船主協会から成る任意組織であり、その目的は、アジア船主業界の利益を促進することである。 ASFは、世界商船船腹の約50%を代表すると推定されている。

ASFは以下8メンバー船協で構成される。

ASFは以下8メンバー船協で構成される。

オーストラリア船主協会 (ASA)
中国船主協会 (CSA)
アセアン船主協会連合 (FASA)*
香港船主協会 (HKSOA)
インド船主協会 (INSA)
日本船主協会 (JSA)
韓国船主協会 (KSA)
台湾船主協会 (NACS)
*アセアン船主協会連合 (FASA)の構成
フィリピン船主協会 (FASA-FSA)
インドネシア船主協会 (FASA-INSA)
マレーシア船主協会 (FASA-MSA)
ミャンマー・ファイブ・スター・ライン (FASA-MFSL)
シンガポール船主協会 (FASA-SSA)
タイ船主協会 (FASA-TSA)
ベトナム船主協会 (FASA-VSA)

ASF総会までの間は、5つの常任委員会により継続的活動が行われている。

船員委員会 (SC : Seafarers Committee)
シッピング・エコノミックス・レヴュー委員会 (SERC : Shipping Economics Review Committee)
船舶保険・法務委員会 (SILC : Ship Insurance and Liability Committee)
航行安全・環境委員会 (SNEC : Safe Navigation and Environment Committee)
シップ・リサイクル委員会 (SRC : Ship Recycling Committee)

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