■資料2:日本船主協会「地球温暖化防止に関する自主的行動計画」
|
 |
地球温暖化防止に関する自主的行動計画
|
1998年2月
日本船主協会
|
 |
1.総論
|
 |
海上輸送は、全世界の輸送量の80%を占めている。輸送モードとしては最も効率が優れ、輸送量1トン当たりの燃料消費率は極めて少ない。海運業界はこの特徴を生かし、引き続き物流における最大の担い手として工業原料、工業製品および穀物等の安定輸送に応えていく責務がある。
また、海運業界は、CO2、の排出抑制等を図る観点から運輸省が推進しているモーダルシフト施策に協力していくとともに、地球の温暖化を防止するための方策を積極的に研究、採用していくこととする。
|
 |
2.CO
2
削減に係る数値目標
|
 |
船舶から排出されるCO2の量をどの程度削減できるかを定量的に把握するのは困難であり、数値目標を設定するのは不可能に近い。例えば、過去10年間に舶用機関の効率化、船体形状の進歩、プロペラ形状の進歩および船舶の大型化等により船舶からの排ガスはかなり削減され、全体的なエネルギー効率(燃費)の改善が図られた。ある統計によると1980/86の比較で船舶からの排ガスは20%以上改善されたとの報告もある。しかしながら、船舶の場合、船種、船型、船齢、航路など一船毎に運航条件、環境が異なるため、当協会加盟会社全体として、これら排ガスを削減させる要素について定量的なデータを得ることは極めて困難であることから、具体的な数値目標は設定できないが、各種のCO2削減対策を着実に実行していくこととする。
|
 |
3.具体的対策
|
 |
(1)
|
エネルギー効率の良い新造船への代替を促進する。
|
(2)
|
新造船の設計に当たり、エネルギー効率の良い船型、省エネ設備の採用に努める。
|
(3)
|
船舶の運航に当たり、燃料消費量を削減するための最適航路計画システムなどの航行支援システムを研究し、有効なシステムの採用に努める。
|
(4)
|
船舶の運航に当たり、燃料消費量を削減するための省エネ運転技術の研究、乗組員教育に努め、主機および補機関のエネルギー効率を向上させる。
|
(5)
|
推進抵抗の低減、推進効率の改善など推進機能の向上、主機および補機関の燃費改善、排エネルギーの有効活用など船内におけるエネルギー利用の効率化に関する各種の研究開発への参加、支援に努める。
|
|
以上
|