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プレスリリース

2009年5月29日
社団法人日本船主協会

第18回アジア船主フォーラム プレスリリース
アジア船主フォーラム、インド船主協会の加入を歓迎

アジア船主フォーラム(ASF)は、本日台南で開催された第18回総会において、インド船主協会をASFの新メンバーとして歓迎した。これにより、ASF メンバーは、豪州(ASA)、中国(CSA)、台湾(NACS)、香港(HKSOA)、インド(INSA)、日本(JSA)、韓国(KSA)、アセアン(アセアン船主協会連合(FASA):インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの船主協会により構成)の8船協となる。

世界規模の経済混乱により海運市況が劇的に下落し、この結果、船舶の市場からの撤退あるいは係船を背景に、船員の雇用が益々困難となっている。ASF は、雇用の維持という利益を認識し、それ故に、船員の労働条件は、船員が居住する国または地域の経済水準に合致すべきと考えるものである。ASFメンバーは、現下の市況にも拘わらず、可能な限り、船員の募集と訓練についての前向きな活動を維持していくことに合意した。

ASFは会合中、パナマ運河当局(ACP)が、2009年4月30日、現在の経済危機を踏まえ、同運河通航料の短期値下げを発表したことに留意した。同値下げの有効期間が9月30日で終了することから、ASFはACPに対し、長期間に渡る効果的な値下げを実施するよう要請するものである。

ASFは、国際連合およびアデン湾および周辺海域に海・空軍を派遣している全ての政府に対し、強い感謝の意を表明する一方、当該海域での海賊の脅威について、引き続いての懸念を述べるものである。ハイジャックされた船舶に乗組む船員およびその家族が被る潜在的なトラウマは、ASFにとって深く懸念されるものである。ASFは、全てのアジア船主に対し、関係当局が発出する勧告を遵守し、海運団体が発行する実務行動指針(BMP)を採用し実行するよう要請する。

ASFは、本問題の長期的解決策は、ソマリアにおける海賊の根本的原因に焦点を当てて取り組むとともに、「マラッカ海峡」方式のような沿岸国による多国間協力の形成を促進することにより、達成され得ると考えるものである。

ASFは、海運業界によって採用される対策が、温室効果ガスの全排出量の効果的かつ実質的な削減につながるものでなければならない点に合意した。-これは、速度管理や技術的手法の開発と採用などのエネルギー効率方策を通じた、船舶の燃費効率の改善によってのみ実現が可能である。「キャップ・アンド・トレード」制度の導入は、現実的に適用が難しく、企業に不合理な経済的負担を課すとともに海上輸送活動を抑制する結果になる惧れがある。

ASFはまた、海難事故に巻き込まれた船員が犯罪者扱いされていること、ならびにこうした船員の責任が刑事罰上の過失の度合いではなく事故の重大性により決定されていること、について議論した。この問題は、当然ながら、船員の募集と職業定着に強い影響を及ぼすものである。

ASFはさらに、5月11日から15日まで香港で開催された、「安全かつ環境上適正な船舶のリサイクルのための国際条約に関する外交会議」について議論し、同新条約の早期発効への支持を表明した。

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以上

本件に関するお問合せ先 ASF事務局長 Mr Wang Cheng

電話:+65-63254737
Eメール:information@asf.com.sg


注 :
アジア船主フォーラム(ASF)は、豪州・中国・台湾・香港・インド・日本・韓国の船主協会、及びアセアン諸国の海運団体で構成されるアセアン船主協会連合から成る任意組織である。ASFの目的は、アジア船主業界の利益を促進することである。 ASF年次総会の間には、5つの常任委員会(シッピング・エコノミックス・レビュー、船員、シップ・リサイクリング、航行安全および環境、船舶保険・法務委員会)により継続した対応が行なわれている。ASFの船主および船舶管理者は、世界商船船腹の50%近くを支配・運航していると推定されている。

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