2020年8月1日

災い転じて福となす
日本船主協会 副会長JXオーシャン 代表取締役社長
廣瀬 隆史
世界的には未だ収束の見通しが立たない新型コロナウイルス感染症の拡大により、多大な影響を受けられている船社も多いことと思われます。大変なご苦労をなされているのではないかと案じております。
また、日本船主協会におかれましては船社単独ではつかみきれない、世界各国の新型コロナウイルスへの対応状況、各国での船員交代に関連する最新情報をとりまとめて頂き大変参考になりました。この場を借りてお礼申し上げます。
さらに、この時期、日本列島に停滞する梅雨前線の活発な活動により、空は連日厚い雲に覆われ、各地で時として激しい雨が降り続いています。地域によっては既に例年を上回る降水量が記録されており、特に、九州地方を中心に深刻な被害が発生している地域もあります。災害に遭われた方々にお見舞い申し上げるとともに一刻も早い復興を願うばかりです。
さて、2020 年もすでに半分が経過し、早くも後半を迎えることになりました。われわれ船社が携わる海上輸送という経済の根幹を担う役割においては、感染拡大防止による一時的な経済活動の停滞により、滞りはみたものの、国内外を問わず海上輸送の重要性が再確認されたものと思います。今後もその重責を担いつつ、気候変動をはじめとするESG(環境、社会、ガバナンス)課題への取り組み等、グローバルな問題にも積極的に取り組んでいくことになろうかと思われます。
日常生活や社内での業務においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、少し前までは予想もしなかった変化がもたらされました。
テレワーク、在宅勤務がおおむね機能したことで、こうした手段をより有効に活用した制度見直しを進める必要があります。第二波・第三波の感染拡大への備えもしかり。その他多くの課題が雨後の筍よろしく立ち現れてきました。
コロナ禍がもたらした変化は、これまでの日常生活、社内での業務における常識に対して、大きな一石を投じたものと感じています。過去の経験、常識にとらわれず、こうした課題に取り組むことはかなりの力仕事になろうかと予想されます。
災い転じて福となす、ではありませんが、これを機会に多くの課題に取り組み、解決策を講じることで、これまで出来なかった新たな成果につながることを期待せずにはいられません。
経済界は言うに及ばず、スポーツ界や芸能・文化においても、新たな生活様式に寄り添ったスタイルで、少しでも早く平常を取り戻すことを願わずにはいられない今日この頃です。
以上