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オピニオン

2026年2月1日

綾副会長

日比商船学生の
異文化交流プログラム

日本船主協会 副会長
国際船員労務協会 会長
綾 清隆

海運業界で優秀な船員の確保・育成が叫ばれて久しい。外航船員という職種を選択する理由は、各人によってそれぞれであろうが、筆者の場合は「毎日の会社勤務以外の働き方がしたい」がその最大の動機であった。その夢にむかって商船大学に進学し、海技免状を取得、外航船員への道を歩んできたわけだが、在学中「このような企画があればよかっただろうな」と顧みるのが「同じ職種への夢を持つ異国の同世代の学生との接触」であった。

そんな折、筆者が会長を務める国際船員労務協会(以下、国船協)では、2023年度よりフィリピンの海事大学である「アジア・太平洋海事大学校(The Maritime Academy of Asia and the Pacific、以下MAAP校)と日本の商船高専の学生諸君の間に、「(日比商船学生)異文化交流」とのタイトルで、同じ夢を持つ船員の卵たちの交流・交友を取り持つイベントを企画・開催している。

ここまでの実施状況を簡単にご紹介すると、

2023年度: 2024年3月10日~12日にフィリピン海事大学の航海実習船Kapitan Gregorio Oca号(以下、KGO号)の日本での入渠・補償工事に合わせ、MAAP校の学生と商船高専生が、神戸港から清水港まで航行中のKGO船上で、2泊3日の異文化交流を実施。
2024年度: 2025年3月19日~3月24日の間、商船高専生がフィリピンを訪問し、マニラ湾からパラワン湾への短期航海を含むKGO号での船内生活を体験。
上記とは別口で2025年5月22日~27日に、MAAP校カッター(端艇)部が来日。全日本カッター競技大会への参加と併せて弓削商船高専を訪問し、同校の校内練習船弓削丸への乗船やカッター練習を行うなどの相互交流を実施。ご興味のある方は、国船協のHPをご覧ください。

当該イベントを通じて実感できることは、日本・フィリピン双方の船員の卵が、相手方のカリキュラムや訓練内容に寮生活、とりわけ「どのような気持ちで学生生活を送っているのか?」を見聞することにより、多いに刺激を受けあい、また友情を育んでいる!ということ。これは外航船員としての素養を養う上でも、意義が大きいと考えている。

2026年3月にも次回の異文化交流の企画を練っており、出来る限り継続させたいと考えている。当該イベントやその他の活動を通じて、今の筆者の心境である「この職を全うでき、社会人として非常に充実した時間を過ごせた」との実感を持てる人材が、ひとりでも多く誕生してもらえるよう、しっかり力添えしたいと念じている。

以上
※本稿は筆者の個人的な見解を掲載するものです。

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