JSA 社団法人日本船主協会
文字サイズを変更する
小
中
大

Homeプレスリリース&トピックス2008年 > 2008年新春を迎えて(1月1日)

プレスリリース

社団法人 日本船主協会
会長 前川 弘幸

2008年新春を迎えて

新年明けましておめでとうございます。
 2008年の年頭にあたり一言ご挨拶申し上げます。

昨年は、当協会が切望しておりました「トン数標準税制の創設」が平成20年度税制改正において認められました。これを起点として、わが国外航海運の国際競争力が大きく改善されることが期待されます。「トン数標準税制の創設」が今般の税制改正で認められたことは、国会の諸先生方の海運業界に対するご理解と国土交通省当局の多大なるご尽力、さらに荷主団体などのご支援・ご協力の賜物であると深く感謝申し上げます。私どもは、国際競争力を維持しながら、わが国経済に必要不可欠な物資の「安定的な国際海上輸送」という課せられた使命を今後も全力で果たしてまいる所存です。
 今後、国会における関連法案の審議等もありますので、その実現に向けて関係の皆様のご支援、ご指導を引き続き賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
 さて、海運業界の業績に目を転じますと、外航海運各社においてはタンカー部門がやや伸び悩んだものの、ドライバルク市況が歴史的な高値で推移するなど不定期船・コンテナ船部門ともに堅調に推移しました。燃料費が一段と高騰し運航コストの上昇は見られるものの、旺盛な荷動きを背景に軒並み増収増益となる見通しです。一方、内航海運においては、運航コストの過半を占める燃料費の負担増により、大多数を占める中小企業事業者の企業体力が脆弱化し極めて深刻な影響が出ています。国内物資の安定輸送を維持するために、関係方面に対し、引き続き内航海運業界への支援を要請して行きたいと思います。
 また、昨年7月には「海洋基本法」が施行されました。同法には、基本理念として「海洋産業の健全な発展」が明記され、基本的施策において「効率的かつ安定的な海上輸送の確保」および「海洋産業の振興及び国際競争力の強化」が規定されております。同法の趣旨を踏まえ、海事産業の重要性を広く認識していただけるよう関係業界とも連携して諸課題に取り組んでいく所存です。
 そのなかでも、当協会は船舶の安全運航の徹底を最重要事項と位置付けております。海運業界の責務である物資の安定輸送を確保するためには、業界全体としての積極的な取組みはもちろんのこと、各企業において、ハード・ソフト両面から安全運航のさらなる徹底を図ることが最も重要なことであると考えています。そして、IMO(国際海事機関)で進められている環境・安全の規制に関する検討に対してより積極的に関与すべく昨年夏から欧州地区事務局に技術顧問を常駐させました。
 この他にも昨年10月に開始した外航日本人船員(海技者)確保・育成のための新たなスキーム、上限認可・届出制となる水先料金等、端緒が開けた課題は数多いですが、一つ一つ全力を尽くして取り組み、「海洋立国を実現する」ための一翼を担いたいと思っています。本年も関係の皆様から特段のお力添えを賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

以上

  • オピニオン
  • 海運政策・税制
  • 海賊問題
  • 環境問題
  • 各種レポート
  • IMO情報
  • ASF情報
  • 海事人材の確保