JSA 社団法人日本船主協会
文字サイズを変更する
小
中
大

Homeプレスリリース&トピックス2009年 > アデン湾の海賊問題に関する全日本海員組合との共同声明について(1月9日)

プレスリリース

2009年1月9日
社団法人日本船主協会
全日本海員組合

アデン湾の海賊問題に関する全日本海員組合との共同声明について

アデン湾において凶悪な海賊事件が頻発している状況に鑑み、社団法人日本船主協会前川弘幸会長と全日本海員組合藤澤洋二組合長は、アデン湾の海賊行為へのわが国の早急な対応に関して添付のとおりを共同声明を発表しましたので、お知らせします。

同声明においては、わが国政府における海賊対策にかかる精力的な検討に謝意を示すとともに、当該海域を航行する船舶と船員の生命の安全確保のため、国連決議に基づき、まずは現行法の枠組みの中で海上自衛隊艦船の派遣を早急に実施することを、わが国政府に対し強く要望しています。

以上

本件に関するお問合せ先 社団法人 日本船主協会 海務部 斎藤 光明

Tel:03-3264-7177 (e-mail:mar-div@jsanet.or.jp

全日本海員組合 国際局外航部  牧添 正信

Tel:03-5410-8320 (e-mail:mmakizoe@jsu.jp


アデン湾の海賊行為へのわが国の早急な対応に関する声明

アデン湾においては、武装した海賊が商船を乗っ取り、乗組員や船舶を人質に身代金を要求するという凶悪な事件が頻発している。昨年1年間に116件の襲撃事件が発生し、多くの船舶が機関銃やロケット弾などで銃撃を受けており、うち34隻がハイジャックされた。報道によると、未だ14隻、240人以上の乗組員が拉致されたままとなっている。日本の企業が関係する船舶においても、12隻が襲撃を受け、うち5隻がハイジャックされ、2隻は未だ解放されていない
 海運各社および船舶においては、可能な限りの対策を講じているが、凶悪な海賊を前に自助努力には限界があり、依然として事件は後を絶たない。

アデン湾は、欧州とアジアを結ぶ海上輸送の要衝であり、海賊の横行を放置すれば、物資の安定的な輸送が阻害され、わが国の経済活動や国民生活への影響が懸念される。また、当該海域を平均して毎日約10隻が航行している日本関係船の安全およびこれに乗り組む船員の生命が脅かされている。

国連においては、アデン湾を含むソマリア沖の海賊対策のため、各国に艦船や軍用機の派遣等により海賊対策への参加を要請するなどの決議を採択している。 CTF150(有志連合軍)やEU軍をはじめ多くの国がアデン湾に艦船等を派遣しており、海賊対策への積極的な取り組みを見せている。

わが国においても、国会・政府内において海賊対策のための新法制定や現行法の枠内における対策等を精力的に検討いただいていることに深く感謝申し上げたい。一方、アデン湾を航行する船舶およびその乗組員は、今、この瞬間も海賊の脅威に晒されているという状況であり一刻も早い対応が求められている。法整備をした上でなければ、海上自衛隊の活動が十分に行えないとの意見も聞いているが、たとえ艦船によるエスコートのみであったとしても海賊行為抑止に効果が期待でき、現場の乗組員にとっての安心感は測り知れないものがあると考える。

以上から、わが国政府関係者に対し、船舶と船員の生命の安全確保のため、国連決議に基づき、まずは現行法の枠組みの中で海上自衛隊艦船の派遣を早急に実施することを強くお願いする。

2009年1月9日

社団法人 日本船主協会
会 長  前川 弘幸

全日本海員組合
組合長  藤澤 洋二

  • オピニオン
  • 海運政策・税制
  • 海賊問題
  • 環境問題
  • 各種レポート
  • IMO情報
  • ASF情報
  • 海事人材の確保