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プレスリリース

2010年4月16日
日本船主協会

アジア船主フォーラム船舶保険・法務委員会第15回中間会合の結果について

 2010年4月13日、アジア船主フォーラム(ASF)船舶保険・法務委員会(SILC)の第15回中間会合が香港において開催され、共同声明が採択されましたので添付のとおりその概要をお知らせします。  同会合では、ASFメンバーである中国、台湾、香港、日本、インドネシア、マレーシア、シンガポールの各船主協会の出席の下、ロッテルダム・ルールに関する諸問題などについて意見交換が行われました。  なお、当協会からは林副会長が出席しております。

※ アジア船主フォーラム(Asian Shipowners’Forum)は、アジア地域の船主間の相互信頼と協力関係の育成を目的に、1992年に日本船主協会の提唱により設立。アジアの8地域/国(豪州、中国、香港、インド、日本、韓国、台湾、アセアン(フィリピン、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム))の船主協会により構成されている。

以上


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2010年4月13日

アジア船主フォーラム(ASF)船舶保険・法務委員会
共同声明(仮訳)

アジア船主フォーラム(ASF)船舶保険・法務委員会(以下、委員会)第15回中間会合が、2010年4月13日(火)、香港において開催された。 中間会合には、ASF事務局長をはじめ、中国、台湾、香港、日本の各船主協会およびアセアン船主協会連合会を代表して、インドネシア、マレーシア、シンガポールの各船主協会が参加した。

中間会合に先立ち開催されたロッテルダム・ルールに関する半日のセミナーには、委員会の参加者に加え、香港船主協会メンバー、香港海法会および香港荷主評議会が出席した。

委員会は、ロッテルダム・ルールのなかで、特に船主と荷主からいまだ懸念が示されている問題について議論した。委員会は、同ルールの広範な批准は、海上物品運送法の分野に世界的調和をもたらすと評価したが、一方で船主が不満を感じ続けている側面が残っていることも認識した。委員会メンバーは、同ルールについて夫々の政府と更に検討を進めていくことで合意した。

中華人民共和国「船舶による海洋汚染防止及び管理規則」は、2010年3月1日付で施行されたが、施行規則がまだ明らかになっていないため、国際海運社会のなかで懸念を引き起こしている。委員会は、ASFメンバーが中国の当局に接触し、施行規則が発表されるまで規則の完全な実施は延期されることを確認したことに留意した。

委員会は、イランへの石油精製品の輸出に対する多範囲におよぶ米国制裁法案について、強い懸念を示した。法案では、そうした貨物のイランへの輸送、または貨物や船舶への保険、再保険の提供に関わる全ての内国邦人および外国法人が制裁の対象になるとみられている。制裁は米国の国内法により実施されるが、制裁の影響は国際的なものになるとみられている。委員会は、国際社会に影響を与える規則は唯一国連によって公布されるべきとの考え方に基づき、米国による一方的な提案について各国政府が懸念を表明するよう促した。

委員会は、不運にも海難事故に巻き込まれた船員の処遇について、改めて強い懸念を示した。各国の法手続きに準拠しなければならないことは認識した上で、事故に巻き込まれた船員に無謀な行為、犯意または明確な過失が無い場合であっても、事故の被害に対する地元民の不平に応えかつ納得をさせるために船員が犯罪者として扱われていることに懸念を示した。船員の些細な過失が悪い時に悪い場所で起こった、そうした事故が数多く存在すると考えられる。委員会は、各国政府、特に先進国へ、そうした事故を政治的に扱うこと、並びに無実が証明されるまでは有罪であるかのように扱うことなど、船員の人権を軽視することによって、将来の船員リクルート及び自らの法体系への評価に及ぼす弊害を再考することを促した。

次回委員会は、2010年5月25日、ASF第19回総会に先立ち香港で開催される。

以上

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