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プレスリリース

2010年9月22日
日本船主協会

アジア船主フォーラム 航行安全・環境委員会第19回中間会合の結果について

 2010年9月17日、アジア船主フォーラム(ASF)航行安全・環境委員会(SNEC)(委員長:S. S. Teoシンガポール船協会長)の第19回中間会合がシンガポールにおいて開催され、その結果がプレスリリースされましたので、以下のとおりその概要をお知らせします。
同会合では、ASFメンバーである香港、インド、日本、韓国、台湾、アセアンの各船主協会の出席の下、アデン湾における海賊問題や温室効果ガス削減問題など、航行安全および環境保全に関する多くの案件について審議が行われ、アジア船主として現状認識の共有が進められました。

以上


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2010年9月17日

アジア船主フォーラム(ASF)プレスリリース
(仮訳)

1. アジア船主フォーラム(ASF)航行安全・環境委員会(SNEC)の第19回中間会合が、2010年9月17日、シンガポールにおいて開催された。同会合は、シンガポール船主協会(SSA)によって主催された。

2. 会合には、香港、インド、日本、韓国、台湾の各船主協会、およびインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールの船主協会を代表とするアセアン船主協会連合(FASA)の代表が出席した。

3. SSAの会長であるS.S.Teo氏が、FASAを代表して本会合の議長を務めた。

4. 本会合を通じて、SNECは船舶の航行安全および海洋環境の保護に関する現在の懸案事項について検討し議論を行った。

5. SNECは、世界的な海賊および武装強盗事件によって突きつけられた脅威に対して、引き続き重大な懸念を表明した。
特に2010年1月から6月にかけて、ソマリアの海賊が100隻の船舶を攻撃し、27隻をハイジャック、544名もの船員を誘拐したことに留意した。
また、SNECは南シナ海における発生件数の増加に懸念を表明した。
アナンバスやマンカイ諸島付近の海域においては、現在までに18件の海賊・武装強盗事件が報告されている。SNECは、すべての国がこのような犯罪を防ぐために協力し、陸上と海上の両方で先を見据えた対策を強化するよう要請するものである。
SNECは、アデン湾、ソマリア周辺海域およびインド洋における海賊事件に関して懸念を表明したASFのレターに対して、国際海事機関(IMO)および国際連合(UN)の事務局長より回答があったことに留意した。
SNECは、国連の海賊担当特別顧問としてJack Lang氏が任命されたことを歓迎した。彼には、逮捕された海賊を起訴するための効果的なメカニズムの開発を促進することが期待される。

6. またSNECは、2010年9月23日のWorld Maritime Dayまでに世界的なウェブを利用した陳情(e-petition)に署名するよう、すべてのASFメンバーに対して要請するものである。e-petitionは、生命を危険にさらし、世界貿易に脅威を与えている海賊行為を止めさせるための具体的行動を要求している。

7. IMOの第56回航行安全小委員会(NAV56)の結果を踏まえ、SNECは、NAV56がインドネシア、マレーシア、シンガポールの(シンガポール海峡)沿岸国による提案を暫定的に採択したことを歓迎する。同提案は、すべての適用船舶がシンガポール海峡の分離通航帯を横断する際に、緑色全周灯3灯から成る夜間信号を縦に表示するもので、推奨される暫定的な方策として盛り込もうとするものである。

8. 船舶による大気汚染の防止に関しては、SNECは国際団体による提案、すなわち将来にわたる燃料供給の可能性を調査するためのメカニズムの研究を行うために、コレスポンデンス・グループの設置を求めるという、国際海運会議所(ICS)、ボルチック国際海運協議会(BIMCO)、石油会社国際海事協議会(OCIMF)および国際乾貨物船主協会(Intercargo)による提案を支持することに合意した。

9. またSNECは、新船に対するエネルギー効率設計指標 (EEDI)および運航中の全船舶に対する船舶エネルギー効率マネージメントプラン(SEEMP)の要件を規定する規則条文案がまとめられ、IMOの次回第61回海洋環境保護委員会で承認される予定であることを歓迎した。
SNECは、船舶からの温室効果ガス排出を管理して削減するための努力は、EEDIおよびSEEMPのような技術的・運航的手法に焦点が当てられるべきであるとの合意に達した。

10.現在行われているMARPOL条約附属書Ⅴの見直しに関しては、SNECは、寄港地での適切な受け入れ施設の提供を前提として、コレスポンデンス・グループによって提案された条約改正案に原則として合意した。

11. またSNECは、アジア船級協会連合(ACS)との非公式会合を開催したことを歓迎した。

12. 閉会にあたり、SNECメンバーは、シンガポールにおいてSNEC第19回中間会合を主催したSSAに対して感謝の意を表明した。



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