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プレスリリース

2011年3月23日
日本船主協会

アジア船主フォーラム 航行安全・環境委員会第20回中間会合の結果について

 2011年3月18日、アジア船主フォーラム(ASF)航行安全・環境委員会(SNEC)(委員長:S. S. Teoシンガポール船協会長)の第20回中間会合がシンガポールにおいて開催されました。同会合の結果がプレスリリースされましたので、添付のとおり概要をお知らせします。 同会合では、ASFメンバーである香港、インド、台湾、アセアンの各船主協会の出席の下、航行安全および環境保全に関する多くの案件について審議が行われ、特に、ソマリア沖・アデン湾における海賊問題が海運事業者にとって最も切迫した課題であるとし、国連や各国政府等の海賊根絶に向けた断固とした対応を求めています。

以上


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2013年3月18日

アジア船主フォーラム(ASF)プレスリリース
(仮訳)

2011年3月18日にシンガポールにおいて開催されたアジア船主フォーラム(ASF)航行安全・環境委員会(SNEC)第20回中間会合において、アジアの各国船主協会は、ソマリアの海賊による船舶への攻撃や残虐行為の増加に対し強い憤りを示した。

小型ボートに乗る一握りの海賊たちが世界経済を人質にとることができる現在の状況は、責任にある船主ないしは運航者としてまったく受け入れられない。我々は、船員の安全と無事を保証すべく必要なすべての措置を取らなければならない」と、SNEC委員長のS. S. Teo氏は話す。「船員が苦しめられ殺されるだけでなく、一般市民や子供たちが同じように狙われている。状況はますます受け入れ難いものになっている。」

2010年には世界で、445隻の船舶が海賊に襲撃され、うち53隻がハイジャック、1181人の船員が人質となった。現在も、約700人の船員がソマリア沖で惨めな状況で捕らえられたままである。SNECは、海賊によって国際海運にもたらされる脅威、特にアデン湾、インド洋およびソマリア沖における脅威に重大な懸念を表明した。

SENCは、すべての政府が海賊および船舶への攻撃の根絶に向けて迅速かつ断固として行動すべきことを要求する。現時点でアデン湾に配置されている海軍により実施されている支援・護衛には感謝しているものの、SNECはそれが長期的に継続されるものとは考えていない。国連および国際海事機関(IMO)がこの状況を収拾するため強力な政治的意思を示さなければならないというのが一致した意見である。

SNECは、拿捕され乗組員が人質となっている船舶を"母船"として使用することにより、海賊が妨げられることなくインド洋を動き回ることが可能となっていることから、"母船"の脅威を無力化すべきとの国際海運団体の要求を強く支持する。海運業界により作成された「ソマリア沖・アデン湾における海賊を防止するための最善の行動(BMP)」の最新版で推奨されているすべての対策に準拠することに加えて、SNECは、各ASFメンバーが船員の生命と安全を守るため武装警備員を利用するなどの追加的安全対策を採用する可能性があることに留意し、理解を示すものである。

さらにSNECは、民間武装警備員の利用は最終手段であるべきと認識しているが、一方で、民間武装保安サービス事業者を雇う上で船主および運航者を支援するための非強制ガイダンスの策定を検討するようIMOに求めるシンガポール政府の提案を歓迎する。同提案はフィリピン、国際海運会議所(ICS)およびボルチック国際海運協議会(BIMCO)が支持している。また、SNECは、IMOへ独立した海事保安事業者の認証を求めるバハマおよびマーシャル諸島政府の提案を支持する。
最後に、船主および運航者は自らの船員を守るため最大限努力するが、公海における航行安全を確保する最終的な責任は政府にあることをSNECは強調する。
「これが、現在海運事業者にとって最も切迫した課題である」とS. S. Teo氏は話した。

シンガポール船主協会(SSA)の主催により、SNEC第20回中間会合が、香港、インド、台湾、アセアン(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の各船主協会の代表が出席し開催された。 SSAの会長であるS.S.Teo氏が、FASAを代表して本会合の議長を務めた。 本会合を通じて、SNECは船舶の航行安全および海洋環境の保護に関する現在の懸案事項について検討し議論を行った。




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