日本船主協会

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海と船のQ&A part2:船
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Q14:船の燃料:船の燃料には何を使う?
 原油は、蒸留装置や分解装置によって、LPガス、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油などのさまざまな石油製品に生まれ変わります。軽油などを抽出した最後の残りカス(残渣(ざんさ)油)が重油とアスファルトになり、重油もその粘度によって、A重油、B重油、C重油に分けられますが、巨大な船舶を運航するには1日に数十トンの燃料を大量消費するためコストが安いC重油が用いられてきました。
 しかし、C重油を燃焼する際に生じる硫黄酸化物(SOx)などが環境汚染の原因(酸性雨や光化学スモッグなど)になるため、IMO(国際海事機関)において大気汚染防止の規制が段階的に強化されてきました。
 そこで、2020年1月より船舶燃料に対する国際的な環境規制が強化され、排気ガス中の硫黄分濃度を3.5%以下から0.5%以下に大幅に削減しました。海運業界はSOx規制に限らず、更なる地球・海洋環境の保全に努めています。


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参考文献
常圧蒸留装置のしくみ