日本船主協会

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海と船のQ&A part3:航海
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Q36:船の係留:どうやって船をつなぐ?
 船を留めるための方法には、大きく分けて2つあります。一つは、岸壁に着いた時に、ロープで留める方法です。このロープは通常、ホーサーと呼ばれ、マニラ麻、ナイロン、ポリエステルなどの材料で出来ています。大型船用には直径10cm以上のものもあります。ホーサーの先端は輪になっていて、これを岸壁のビット(係留柱)に掛けます。船自体は海の上に浮いていて、潮汐(潮の満ち引き)の影響で上下しますから、係留中は潮汐に合わせてホーサーの長さを調整します。
 もう一つの方法は、錨を降ろして船を留める方法です。岸壁がいっぱいで着岸できない場合や、検疫や燻蒸(くんじょう)を行う場合、時には台風などで港外に避難した場合に錨を降ろします。長さが200m程度の外国航路の船(外航船)の場合、錨の重さは約10トン、鎖(錨鎖(びょうさ))の長さは300m以上もあり、これが右舷と左舷の両方についています。日本で最大のタンカーだった日精丸(48万4000載貨重量トン)の場合、片方だけで、錨が約30トン、これに錨鎖を加えると約180トンにもなりました。

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参考文献
じょうぶなロープでしっかりつなぎます。船の係留