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プレスリリース

2009年6月17日
社団法人日本船主協会

第62回通常総会決議

前川会長挨拶

 四面を海に囲まれ資源の乏しいわが国において、海運は国民生活・経済を支える上で大きな役割を担っており、安定的な海上輸送の確保は極めて重要である。
 昨年秋以降の世界同時不況は、わが国および世界の実体経済に前例のない深刻な影響を及ぼしており、わが国海運業界も極めて厳しい状況に直面している。このような状況下、わが国外航海運が世界単一市場において諸外国企業との熾烈な競争に勝ち抜くためには、国際競争力の一層の強化が必要である。当協会としては、現行海運関係税制の維持・改善をはじめ、政策金融の確保など、必要な諸施策の実現に取り組んでいく。また、トン数標準税制については円滑に実施されるよう注視していく。
 海運業界にとり船舶の安全運航は当然の責務である。我が国海運企業が国民生活に必要不可欠な物資を今後も安定的に輸送していくため引き続きその徹底に努める。
 近年ソマリア沖・アデン湾において凶悪な海賊事件が頻発している。わが国においては本年3月に自衛隊法に基づく海上警備行動が発令され自衛艦2隻が護衛にあたっており、所謂海賊対処法案についての審議が行われている。当協会としては引き続き関係官庁等と密接に連携を図り、同湾を航行する船舶の安全が確保されるよう努めるとともに、同法の成立に向け活動する。
 環境保全の推進、なかんずく地球温暖化防止対策については、IMO(国際海事機関)で活発に検討が行われているGHG(温室効果ガス)の排出抑制策について、関係当局や関係業界と連携し、外航海運の特徴を踏まえた公平かつ実効性のある削減対策が構築されるよう努める。
 顕在化しつつある日本人海技者の質的・量的不足問題については、教育機関・関係団体等への働きかけ等を通じ、次世代の海技者の確保に努める。また、承認制度に係わる海技資格付与制度の更なる合理化・簡素化を実現するよう関係当局等に働きかけを行う。
 内航海運は、昨今の景気後退による運賃および用船料の下落、船腹過剰等への対応が喫緊の課題となっており、これら問題について、内航不況対策を推進する。
 われわれ海運業界は、その目指す課題の実現を図るため、関係者の理解を得ながら下記項目の実現をもってわが国海運の一層の発展を期するものである。

1.安全運航の徹底
2.環境保全の推進

外航海運におけるGHG排出抑制策への対応
シップリサイクル問題への対応
3.わが国外航海運の国際競争力の維持・強化
海運関係税制の維持・改善
トン数標準税制の円滑な実施
必要な政策金融及び後継制度の確保
4.経済・社会の変化に即した構造改革実現
水先制度改革の実効性の向上
日本籍船運航に係わる海技資格等の承認制度の更なる合理化・簡素化
5.国際問題への適切な対応
ソマリア沖・アデン湾における海賊問題への対応
外航船社間協定に対する独禁法適用除外制度の維持
マラッカ・シンガポール海峡の航行安全問題への適切な対応 ASF(アジア船主フォーラム)等からの情報発信
6.内航海運に係る諸問題への対応
内航不況対策の推進
内航船員不足問題への対応
モーダルシフトの促進
7.船員問題への適切な対応
次世代日本人海技者の確保への対応
ILO(国際労働機関)海事労働条約の国内法整備への対応
国際船員問題への適切な対応

以上決議する。

平成21年6月17日 社団法人日本船主協会 第62回通常総会

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