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海と船のQ&A part3:航海
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Q26:針路(しんろ):船はどこへ向かっている?
 陸の見える沿岸を航海している時には、船の位置やどの方向に向かっているのかを知ることができますが、ちょっと沖にでてしまうと周りを海で囲まれ何の目標も見えないために、船の進んでいる方向が分からなくなってしまいます。
 それでも太陽や星の方位や動きでおおよその針路を推測することができますが、いつも晴れているとは限りません。そこで必要になるのがコンパスです。
 商船には、いつも北を示す「ジャイロコンパス」という装置を積んでいます。コマを高速で回転させると同じ方向を向き続けるという原理を応用したもので、航海をするのに無くてはならない重要な計器ですが、故障や停電があると使えなくなってしまいます。そこで、商船には「ジャイロコンパス」の他に磁石の性質を利用した「磁気(じき・マグネット)コンパス」も積んでいます。ただ、商船は鋼鉄で造られ、磁気コンパスにも影響を与えるために、さまざまな修正をします。それでも地球上の場所によってコンパスの針が示す北の方向が少しずつ違ってきますから、磁気コンパスが示す北は正確な北ではありません。

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海運と貿易
こちらもご覧ください
海運ゼミナールより
磁気コンパスのルーツは「魚」だった?(088)
船乗りたちの証言によって生まれたギルバートの「地球磁石説」(126)
「逆針」は、日本独自の航海計器(206)
鋼船時代の航法技術を支える電気仕掛けの地球ゴマ(271)

参考文献

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